〜業界特集 内外で需要高まる日本製農業機械〜

海外工場はタイに集中する傾向




表1:農業機械 出荷金額の年次推移((社)日本農業機械工学会 発表資料より)表1:農業機械 出荷金額の年次推移((社)日本農業機械工学会 発表資料より)
「食」の安全と食料自給率改善
食の安全性、国の集団化・集約化政策の緩和など農業を巡る情勢の変化で、農業機械の需要が活発化している。農業機械には、以下のような種類が挙げられる。
作物の種類による分類
  1. 汎用的―トラクター、耕うん機、代かき機、田植え機、コンバインなど
  2. 蔬菜園芸―播種機、野菜収穫機など
  3. 酪農畜産―マニュアルスプレッダー、ヘイベーラーなど
機械の形態による分類
  1. 歩行型―歩行型トラクター、歩行用管理機など
  2. 定置型―穀物乾燥機、もみすり機など
  3. 携帯式―刈払機、動力摘採機など
  4. 遠隔操作―無線操縦式ヘリコプター、無線操縦式草刈機など

クボタの4条刈コンバイン「DYNAMAX ER467」クボタの4条刈コンバイン「DYNAMAX ER467」
日本における発展と普及
1963年の農業機械化促進法の制定や、1950年頃からのメリーティラー(アメリカ製の耕耘機)の導入により機械化が本格化した。
そして、これらは農業従事者の負担軽減に貢献してきた。近年、農業政策の転換や農家の後継者難などで国内の農家数は減少し続けている。これに対応して日本の農政は、低コスト化を最優先に国が集落営農や大規模農家への支援を行い、※集団化・集約化を進めたことで、農業機械メーカーにとっても大きな痛手となっていた。
農業用機械製造業の事業所数も減少基調。経済産業省の「平成18年工業統計表 産業再分類別統計表」 (2008年7月公表)によると、従業員4人以上を有する事業所数は823...

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