〜特集「第21回優秀板金製品技能フェア金賞受賞作品」〜

デジタルとアナログの融合技術をアピール
3次元CADによるVPSS提案と溶接技術がコア

タマチ電機(株)



「溶接を主体とする組立品の部」で金賞を受賞した「エアーダクト」「溶接を主体とする組立品の部」で金賞を受賞した「エアーダクト」
栄誉に輝く
今回の技能フェアで「溶接を主体とする組立品の部」で金賞、中央職業能力開発協会長賞を受賞した「エアーダクト」は、もともとは半導体製造で使用されるクリーンルーム向けの製品として試作した受注品を1/5サイズに縮小し、一部を設計変更して出展したもの。現物の試作段階では製作が困難とも言われていた。実物はボンデ鋼板で製作、周囲は断熱材で覆われるため、表面の仕上げはここまで綺麗である必要はない。それをSUS304に変更し、突き合わせ溶接にYAGレーザ溶接を使って、表面を美しく仕上げた。

西村恭社長西村恭社長
デジタルとアナログの融合
「最大のポイントは、自由曲面のR曲げに3本ロールを使ったロール曲げを入れているのですが、展開の時点でケガキ線を入れることで、どこから曲げていけばいいか分かるように工夫したこと。手板金による再現性の低い製品ではなく、デジタル技術を最大限活用し、リピート生産が可能な製品ということです」と気きがさわ賀澤美佐男取締役製造部長は語る。「加工設備は同業他社でも同じものを持っていますから、設備だけに頼ったモノづくりでは横並び。しかし、デジタル化された設備では対応できない部分は必ず出てきます。その時、設備以外のノウハウを持っていないと応用がききません。アナログのノウハウを、デジタル化が進んだ現在の設備を活用しながら、どうやって融合させていくかが課題です」。

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