〜Industrial Trend 〜

ヒートポンプ給湯器「エコキュート」政府助成もあって150万台を突破
メーカー数は10数社で板金関連の発注も上向き




エコキュート出荷台数・導入補助金交付台数の推移エコキュート出荷台数・導入補助金交付台数の推移
 近年、住宅給湯分野において家庭用高効率給湯器(以下、省エネ給湯器)が市場において急速な普及を遂げている。省エネ給湯器は一般家庭で光熱費を大幅に削減する点が評価されている。特に、家庭用CO2ヒートポンプ給湯器「エコキュート」は、政府による購入支援補助金などの支援を得て普及が加速している。2001年に発表されてから2007年10月に累積出荷台数100万台、2008年10月に同150万台を達成した。2002年からは業務用エコキュートも発売されている。

住宅給湯に関してはガス給湯器の独壇場だったが、エコキュートは環境ニーズの高まりを背景に一挙に市場を拡大しただけでなく、それまで省エネ化が進んでいなかった住宅給湯業界に省エネ競争をもたらした。エコキュートは従来の電気温水器と異なり、電気ヒーターではなくCO2を冷媒に用いたヒートポンプにより加熱を行う。家庭用CO2ヒートポンプ給湯器の商品化は世界初であり、ヒートポンプ技術の特性から非常に高い効率を実現している。加熱の効率を表すCOP(Coefficient Of Performance)値は初期モデルで3.5、投入したエネルギー1に対して3.5倍以上の温水加熱が可能であることを意味している。このCOP値は技術的な改良によりその後も上昇を続け、最新のモデルでは5.0前後にまで達している。

エコキュートは通常のガス給湯器に比べて約65%のCO2排出量削減をもたらし、一般的4人家族の光熱費(給湯で消費する分)は5,000円程度から1,000円以下へと劇的に低減するという。エコキュートは東京電力(株)、(株)デンソー、(株)電力中央研究所の3社・団体が共同開発、商品としての製造・販売は現在ではコロナ(株)、サンデン(株)、ダイキン工業(株)、(株)長府製作所、パナソニック(株)、(株)日立ハウステック、(株)前川製作所、三菱電機(株)など10数社のメーカーが行っている(詳細は日本エレクトロヒートセンター資料参照http://www.jeh-center.org)。...


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