〜Industrial Trend 〜

昨年10月以降は大幅な減少が続くシャースリット業界




厚中板鋼板 受入数量推移厚中板鋼板 受入数量推移
 シャースリット業界とは、コイル状の薄板や中・厚板を連続切断機にかけて、需要先や特約店が希望する大きさに寸法切断するコイルセンターと、薄板や中・厚板をシャーリングマシン、レーザマシン、プラズマ切断機、溶断機などを使って所要の寸法に切断する厚板シャーリング業者の総称である。鉄鋼メーカーや鋼材需要先の様々な機能を代替しており、鋼材流通には欠かすことのできない存在となっている。経済産業省の「平成18年工業統計表」によると、2006年の鉄鋼シャースリット業界で従業員4人以上有する事業所は1,543カ所、従業員数は30,387人。出荷額は2兆285億4,800万円となっている。
 鉄鋼シャースリット業界は、昨年春頃までは建材向けの低調を製造業向けの好調が補う傾向が続いていた。建材向けは、橋梁用が大型物件の発注減で需要が落ち込んでいる。その一方、建機・造船向けが好調に推移した。鉄道車両・重電機向けも輸出が好調で、需要は堅調に推移していた。しかし、昨年9月15日のリーマン・ショックに端を発した金融危機による世界的な信用収縮によって製造業も大きな影響を受けている。自動車産業をはじめとして軒並み受注・売上が減少、受注は前年同期比で4割以上の落ち込みとなっている。この影響で鋼材の受注・出荷量も10月以降は急速に減少している。とりわけ建設機械や工作機械をはじめとする産業機械関連の鋼材販売が落ち込む傾向にある。
 全国厚板シャーリング工業組合のデータによると工業組合で受け入れた中・厚板の数量は1993年に4,300,444トンで1996年には4,528,906トンにまで伸びた。その後は400万トンを割り込む状況が続き、2006年には3,031,392トンと、1996年と比べて67%にまで落ち込んだ。
 さらに、...

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