〜特集「構造変化に対応する板金業界」〜

ノズルチェンジャー付きLC-3015F1NT導入
厚板の加工では従来機比で数倍の生産性向上を実現

シオヤユニテック(株)



塩谷雅彦社長塩谷雅彦社長
 2004年に同社の2代目社長に就任した塩谷雅彦社長は、事業の拡大に意欲を見せ、相次いで新事業をスタート、現在は板金製缶事業、装置組立事業、環境機器事業、金属塗装事業の4事業を展開している。
 環境機器事業部では「遠赤外線除菌・乾燥・消臭装置インフラボックス」の開発・製造・メンテナンスを行い、新たな取り組みにも意欲を見せる。
 板金製缶事業では、工作機械・省力化機械・自動化機械・製紙機械・真空応用機械、電力システム用配電盤・キュービクル、医療機器などのカバー、チャンネル・アングル・フラットバー・角パイプなどの形鋼を使った架台や、金具といった製品の加工を手がける。1984年に溶接専門工場として創業した同社は「良い溶接」を同事業の核に据え、JISの溶接技能者評価試験の受験を、事務所を含めた全社員に推奨するなど、溶接に対しては特別なこだわりを見せる。加工材料は軟鋼が重量比90%以上を占め、ステンレスやアルミといった非鉄金属は微少。また、軟鋼のうち形鋼の重量比率は約25%を占めている。また、板金製缶加工の平均ロットは1桁。塩谷社長が「目標は1個流し生産に対応することです」と語るように、多品種極少量大型板金加工への対応を目指している。

FOが会社を育ててくれた
数倍の生産性向上に貢献するLC-3015F1NTのノズルチェンジャー
数倍の生産性向上に貢献するLC-3015F1NTのノズルチェンジャー
プログラム室では工場に設置されたWebカメラがライブ映像を映し出す
プログラム室では工場に設置されたWebカメラがライブ映像を映し出す
 「2000年に導入したレーザマシンFO-3015が当社を育ててくれました」と塩谷雅彦社長は語る。「あのマシンがなかったら、今のうちの会社はありません。会社の存在自体がなかったかもしれないし、少なくとも板金業界−不況の時こそ、千載一遇のチャンス33人の従業員を抱える規模の会社には育っていなかったでしょう」。
 同社が出力3kWのレーザ発振器を装備するレーザマシンFO-3015+ASF-3015FOを導入したのはITバブル崩壊直後の2000年。
 「FO導入を決めた1カ月ほど後、急激に受注が悪化しました。FO納入までに半年待ちと言われていたので、このまま導入するか、キャンセルするか、かなり迷いました。しかしここで引いてはいけない、思い切って前に進もうと考え、当時の社長と専務だった私が、導入を決断しました」と語る。...

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