〜Technical View〜

表面粗さと表面粗さ測定機
― 工業製品の品質・性能を向上




表面粗さ測定機(ミツトヨ)表面粗さ測定機(ミツトヨ)
 レーザ加工精度を評価する目安のひとつに「表面粗さ」がある。特に切断面品質を評価する場合に表面粗さが用いられている。物の表面は、「ツルツルしている」「ザラザラしている」などといった表現を用いるように、様々な凹凸がある。工業製品ではこの不規則な凹凸が、外観品質・製品寿命・機械効率など様々な性能に影響を与えており、このザラザラやツルツルの度合いを明確に数値化したのが表面粗さである。

表面粗さの測定方式
 表面粗さを測定するためには、表面粗さ測定機で対象物表面の粗さ曲線を得て、粗さ曲線から表面粗さを表すパラメーターを計算する。表面粗さを測定する測定機には「触針式」と「光干渉計方式」がある。
 触針式は先端に小さなダイヤモンドを持つ針で、測定物表面をなぞる方式。針の測定荷重によっては、アルミニウムなど柔らかい測定物を傷付けるおそれがある。しかし、現状では表面粗さを測定するには、最も信頼性が高い方法といわれており、分解能1μm以下の機種もある。測定物には、ハードディスク用のガラス基板などの超精密加工部品などがある。また、分解能は10μm程度だが、広いダイナミックレンジ(6mm)を持つ機種もある。この測定原理は、ピボットを中心として針の反対側にミラーを設け、このミラーの上下動をレーザで測定する。干渉縞をカウントする方法のためダイナミックレンジを広くできる。機械工作物の測定に使用される場合が多い。
 光干渉計方式は、レーザ光を直接、測定物表面に照射する方式。測定物表面からの反射光と参照光との干渉で生ずる干渉縞から表面粗さを測定する。微少な領域を評価することから、各種の対物レンズ(100、40、20、10、1倍)を用意する。例えば、40倍の対物レンズを使うと約0.23o角の領域の表面粗さを測定できる。光学系のシステムエラーを除去すれば、測定精度は1μm以下になる。触針式と異なり非接触測定のため、測定物にダメージを与える心配がない。ただし、測定物表面が鏡面で、測定面中の段差がλ/4以下であることが必要となる。測定する対象物としては、シリコンウエハー、超精密切削部品、超精密研削部品、ガラスなどがある。...


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