省エネをキーワードに需要が拡大
「省エネ性能カタログ 2008年冬版」を参考に



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 米国の証券会社リーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発した国際的な金融不安、信用収縮は実体経済にも大きな影響を与え、実体経済を象徴してきた自動車産業の凋落によって世界同時不況が始まった。1929年の大恐慌よりも急速に経済活動は停滞している。ただ救いがあるとするならば、80年前には存在しなかったIT化の長足の進歩。あらゆる情報が瞬時に世界中に伝播し、落ち込みが速ければ立ち直りも速いという特徴を持つようになっている。金融経済の破綻、産業のトリガーだった自動車産業の低迷など、これまでには想定していなかったパラダイムシフトが起きている中で、成長の要となってきているのが地球環境の保全を目的とする省エネルギー化。景気減速が逆に追い風となって、“ムダの排除”という錦の御旗によって環境保全やクリーンエネルギー関連ビジネスに注目が集まっている。

「省エネ性能カタログ2008年冬版」
(財)省エネルギーセンター発行の「省エネ性能カタログ 2008年冬版」(財)省エネルギーセンター発行の「省エネ性能カタログ 2008年冬版」
 消費者も財布の紐を締めているため、耐久消費財に対する購入意欲も低下しているが、ランニングコストである電気代を減額できる省エネ家電に対しては購入意欲の衰えはあまり見られない。年間のランニングコスト(電気代)が節約できるのであれば購入したいという消費者のマインドが伝わってくる。そんな消費者のバイブルとなるのが「省エネ性能カタログ2008年冬版」である。(財)省エネルギーセンターは、経済産業省資源エネルギー庁の委託を受けて、最新家電製品の省エネ性能を掲載した「省エネ性能カタログ2008年冬版」を昨年暮れに発行した。平成9年から年2回発行しており、省エネ家電製品をエネルギー消費効率(年間消費電力量など)で順位付けして家電製品・品目(約1,300機器)の省エネ情報を掲載している。エアコン、テレビ(ブラウン管・液晶・プラズマテレビ)、DVDレコーダー、冷凍冷蔵庫、ジャー炊飯器、電子レンジ、蛍光灯器具、温水洗浄便座の8品目について、エネルギー消費効率が優れている製品順に省エネ家電製品をランキング形式で掲載している。このうち、エアコン、テレビ、冷蔵庫は、省エネ性能を5つ星から1つ星の5段階で表示する「統一省エネラベル」情報を含んでいる。この他、目安の年間電気代などの省エネ性能を掲載しており、省エネ家電製品の選択に活用できる。...

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