〜Industrial Trend 〜

風力発電の購入電力量は6年間で16倍と大幅増




世界海上荷動量の推移世界海上荷動量の推移
 1990年に53億人だった世界の人口は、2030年には約82億人まで増えると予想されている。とりわけアジア、アフリカなどの発展途上国では人口の増加とともに急速な経済成長が見込まれ、エネルギー消費がますます増加する傾向にある。増え続けるエネルギー需要に対して石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料には限界があり、代替エネルギーの開発が必要となっている。エネルギー自給率が極端に低い日本では96%のエネルギーを海外に依存しているため、エネルギー構造の改善を図り、太陽エネルギーや風力エネルギーといった再生可能エネルギーの活用を進めることが求められている。そうした中で脚光を浴びているのが風力エネルギーで、風力エネルギーは安定したエネルギー供給の難しさはあるものの、潜在的には無尽蔵な国産のエネルギーである。風力エネルギーは、数千年前から帆船などに利用されているほか、最近まで揚水や製粉に利用されてきた。現代に入って、風車や風力発電システムに関する多くのアイデアや理論が体系化され、空気力学に基づく風車の翼型などの新技術が盛り込まれた新しい風車が開発されており、風力発電としての利用が普及し始めている。風力エネルギーを電気エネルギーに変換する風力発電システムは、風車が機械的動力への変換を行い、この動力を発電機に伝達して電気エネルギーを発生させる仕組みになっている。日本では経済産業省が、1974年から2000年までサンシャイン計画(1993年度からはニューサンシャイン計画)において風力発電システムの技術開発を実施している。...

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