〜特集「2009年をQ,C,Dで対応する板金業界」〜

LC-3015F1NT導入をトリガーに生産改革をスタート
設計からの一貫受注で名実ともにメーカーに

(株)河村バーナー製作所



「熱」のスペシャリスト
河村猪富社長河村猪富社長
 同社は「熱」を核として水産加工・食品加工・製茶加工をはじめ、食品加工業や自動車産業などに関連した加熱・乾燥機・生産プラントなどの設計・製造・販売を行う。地元の主要産業である、ちりめんじゃこ製造や製茶の分野においては、全国でもトップのシェアを誇っている。河村猪富社長は「商品を通して心のふれあいを図り、商品を通して信頼関係を築く。無限の創造性を発揮し、人類の発展に貢献する。『こんな機械がほしい』と寄せられる要望に、“熱”をキーワードに貢献したいと考えています」と語る。
Dr.ABE_Blankで作成したネスティングデータDr.ABE_Blankで作成したネスティングデータ
 「当所はお茶どころ。製茶メーカーも集中しています。その80%の製茶機に、OEM、自社ブランドで当社製の熱風発生器が使われています。製茶は各工程のいずれもが“乾燥”であり、熱風発生器は重要な機器となっています。水産加工の分野では、風力小魚選別機や、塩度コントローラーなど、独自の高い技術で課題を解決してきました。ところが1960年代〜1990年代前半のような右肩上がりで成長する分野ではなくなっています。そこで、“熱”にこだわり、熱風乾燥機の製造で培ってきた技術で、産業のあらゆる分野へと応用を広げています。銅線を銅粉としてリサイクルするための乾燥機、自動車用金型の加熱機、地下水の浄化装置などがオーダーメイドで提供できるようになりました。最近はこうした仕事ぶりを評価していただいて自動車関連業界向けの仕事も増えています。当社が受注している仕事の分野は省エネエンジンであるハイブリッド車関連のため、今でも需要は伸びております。ありがたいことに下期に入っても仕事量が大きく落ち込むことはありません。当初からメーカー指向で設計から加工・組立・据付までを一貫して行って、2004年に取得したISO9001の認証もお客さまに安心してもらえる材料です」河村社長は同社の強みを語っている。

主要な加工技術が板金
 そんな同社の生産の主力が板金加工。機械加工に対応する工作機械設備も備えているが加工原価の60%を板金加工が占めている。
 「当社で製作する熱風発生器、乾燥機、ブロワー、水産加工装置の大半がフレームを除くと筐体板金で、板金加工の割合は高い。自社設備で加工することで品質、納期が安定します。また、設計込みで受注するケースが多いので設計段階で現場とコラボレーションを進めQ,C,Dをつくり込んでいます」と河村社長は語る。...

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