特集2

工程統合・複合加工による合理化

社会インフラ需要にACIESセルラインで対応

道路・土木・建築・電設などの内需が好調

株式会社 徹工業

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画像:社会インフラ需要にACIESセルラインで対応左:今後増加が見込まれる砂防ダムの仕事に対応するため、2014年3月にACIES-2515Tを導入。5´×10´のセルラインで、手差しで5´幅×4m材にも対応できる独自仕様となっている/右:ACIESには手差しで5´幅×4m材に対応できるように補助テーブルを増設した

製缶板金と一般板金の両方に精通

2001年に創業された㈱徹工業は、社員の平均年齢が32歳という若い企業。建築・道路・土木といった社会インフラ需要や、電設関連の需要に対応した設備を拡充することで強みを発揮、存在感を高めている。

代表取締役の古屋徹氏は、20歳から親戚の板金工場に勤め、2001年に33歳の若さで独立、兄弟3人とともに埼玉県白岡市で創業した。創業当初は工場・プラント向けの製缶板金加工を中心に手がけていたが、創業から半年後にレーザマシンFO-2412NTを導入。これを契機に、精密板金加工部門を新設し、一般板金加工にも対応していった。その後は、ダクトなどの電設関係の仕事が順調に伸び、中厚板の製缶板金と一般板金の両方に対応できる強みを活かして、事業を拡大させている。

2014年5月には現在地の新工場(敷地面積2,000坪、建物面積700坪)へ移転。旧本社工場である白岡工場(敷地面積1,500坪、建物面積600坪)との2拠点体制になり、大型案件が重なっても余裕をもって受け入れられる。

今年47歳になる古屋社長は「有能な経営者より腕利きの職人になりたい」と語り、時間をみつけてできるだけ現場を歩く。10~20代が半数ちかくを占める若い会社の中で、板金・製缶の両面に精通した職人としての“気づき”を大切にする一方で、ひとたび課題に直面すれば経営者として即断即決で対応する―その手腕により、会社の成長スピードを加速させていった。

画像:社会インフラ需要にACIESセルラインで対応代表取締役の古屋徹氏

道路・土木・建築・電設がメイン

現在の得意先は数十社。手がける業種は道路・土木などの社会インフラ関連、建築・設備関連、電設関連、装置関連、特殊車両フレームなどと幅広い。

道路関連の仕事は、大手鉄鋼メーカーのエンジニアリング会社から、高速道路向けの吸音ルーバーなどを受注している。土木関連は砂防ダムが中心。専門メーカーの関東地域の加工委託先に指定され、SS400・板厚4.5㎜の部材を月40トン加工している。2016年以降は局地的な集中豪雨などによる土砂災害を防ぐ砂防ダムの新設・改修などの需要が増え、現在の2~3倍に相当する年1,000~1,500トンまで増加することが見込まれている。

また、2020年の東京五輪開催にともない、建設・土木関連の引合いも増加。さらに太陽光発電システム関連は、買い取り価格の下落でバブルが弾けたといわれているものの、施工が終わっていない物件もかなり多いため、パネル架台や電設部材の受注が今後2年程度は高原状態で推移すると見込まれる。

画像:社会インフラ需要にACIESセルラインで対応左:ステンレス製のダクト。W3,300×D1,500×H1,500㎜のリベット構造で、5´幅×4m材の高精度加工に対応したACIESならではの製品/中央:FO-MⅡ RIによる継手加工品/右:高速道路の中央分離帯閉塞板

会社概要

会社名
株式会社 徹工業
代表取締役
古屋 徹
住所
埼玉県久喜市桜田5-21-1
電話
0480-53-9772
設立
2001年
従業員
36名
事業内容
道路・土木などの社会インフラ関連、建築・設備関連、電設関連、装置関連などの製缶・板金加工
URL
http://www.toorukg.biz/

つづきは本誌2015年7月号でご購読下さい。

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