特集 コスト・衛生への対応が求められる厨房機器・食品機械

大手厨房機器メーカーに製品を多数供給
設計から板金加工・溶接・研磨・アセンブリーまで一貫対応
来春からEM・EML の2台体制で生産性アップを目指す

仲産業 株式会社



厨房機器を多機種ラインナップ
代表取締役の仲剛氏代表取締役の(なか)(たけし)
仲産業(株)は、埼玉県川越市にある厨房機器メーカー。電磁調理器・電気式茹で麺器といった調理機器、温蔵・冷蔵ショーケースなどを含むカフェテリアシステム、食器消毒保管庫など100種類以上の厨房機器をラインナップしている。また、シンクや戸棚、作業台といった厨房用作業機器の製造・販売も手がける。この中には、エンドユーザーである大手外食・コンビニチェーンと連携して開発した特注の製品も含まれている。
主な得意先は10社程度で、全国に販売ネットワークをもつほとんどの大手厨房機器メーカーと取引している。売上構成では、自社製品が95%と大半を占め、厨房用作業機器は5%程度となっている。
代表取締役(なか)(たけし) 氏は「当社の製品である厨房機器は、大手厨房機器メーカーがエンドユーザーから業務用厨房一式を受注し、それを構成する機器として採用していただきます。ただしこれは、景気の状況や、当社にとってのお客さまである大手厨房機器メーカーの業績に大きく左右されてしまいます。そのため当社は今後、シンクや作業台といった、比較的景気に左右されにくく安定的な受注が期待できるオーダーメイドの厨房用作業機器に力を入れていきたいと考えています」と語っている。

リーマンショック前の水準を上回る好業績
公立学校の給食施設に設置される食器消毒保管庫公立学校の給食施設に設置される食器消毒保管庫
創業社長である仲社長は1970年頃、それまで勤めていた板金加工企業を退職して独立し、個人で板金加工業をスタート。創業当初は鋼板の筐体を多く手がけ、1977年に法人化。1980年代中頃に大手厨房機器メーカーと取引を開始したことがきっかけとなり、厨房機器業界へと参入する。
仲社長は「当初は厨房機器もアングルを多用したフレーム構造が主でしたが、加工マシンの発展にしたがって板金化が進んでいきました。それから30年――今日まで生き延びてこられたのもお客さまのおかげです」と振り返る。その後、1991年のバブル崩壊を機に厨房機器業界内で得意先を拡大。2000年代に入ってからは公共事業にともなう大型物件を落札したり、大手外食チェーンの厨房設備を一括受注したりすることで成長を遂げてきた。
2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災の影響で仕事量は大幅に落ち込んだ。しかし2012年に入ってからは、震災の影響でストップしていた民間の大手外食・コンビニチェーンの出店計画が再始動したほか、ホテルや社員食堂などの厨房施設の仕事も増加。2013年も引き続き好調を維持しており、仲社長は「取扱商品を増やしたこともあって、現在の業績はリーマンショック前を上回っています。とはいえ、1社のお客さまの売上シェアが50%と高いため、新規開拓や販売チャンネルを増やすなどして、分散していく必要があるとも感じています。大手外食・コンビニチェーンと連携して開発した解凍槽やレンジフードは特にコスト競争力が高いと思います」としている。...

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