特集 コスト・衛生への対応が求められる厨房機器・食品機械

何苦礎なにくそ”を信条に24歳で起業
仕上げ・研磨を軸に後工程を考えたモノづくりを行う
厨房機器関連の仕事にEMZ-3610NTが活躍

株式会社 晃成こうせい技研



バフ研磨から板金加工分野へ進出して10カ月
代表取締役の八木崇介氏代表取締役の八木代表取締役の八木崇介たかゆき氏氏
(株)晃成技研は、厨房機器関連のバフ研磨の仕事を中核事業としながら、約1年前に上流工程であるブランク・曲げ・溶接工程を社内に取り込み、板金加工分野に参入した。
代表取締役の八木崇介たかゆき氏は学校卒業後、バフ研磨業界の世界へ飛び込み、ノウハウを培った。2001年、八木社長が24歳の時に大阪府八尾市で起業。当初は、厨房機器関連の仕事を行う板金工場に飛び込み営業をかけ仕事を獲得、自社の工場に寝袋を持ち込み、寝る間も惜しんで働き、得意先の要望に応え続けた。
2002年には「ステンレス研磨工業 晃成」を設立、10坪の工場からスタートした。2006年、「ステンレス工業 晃成技研」と社名を変更するとともに、溶接の仕事も手がけるようになった。
頼まれた仕事は決して断らず、引き受けた仕事は徹底的に行い、納期どおりに間に合わせる同社の姿勢は、「曲げ加工後の対応は晃成技研に任せておけば問題ない」と、得意先をはじめ、周囲に評価されるようになり、東大阪周辺の厨房機器関連企業の多くから同社に溶接・研磨の仕事が集まった。
2010年に法人化、2012年には現在地への工場移転とともに、パンチングマシンEMZ-3610NT、2次元CAD/CAMAP100を導入、板金加工業への参入を果たした。
八木社長は「創業してからずっと『負けられへん』という気概で何でも吸収してきました」と語っている。

厨房機器関連の仕事がメイン
厨房機器の溶接工程厨房機器の溶接工程
同社の事業は、板金加工とバフ研磨のふたつ。売上に占める割合は半々で、両事業とも厨房機器関連の仕事がメイン。これまでステンレス製シンクを中心に手がけ、エンドユーザーは、飲食店・コンビニ・学校・病院など。
現在の得意先の数は55社前後、このうち研磨のみの仕事が40社程度、板金加工から研磨までの仕事が15社程度となっている。
「板金加工の仕事は、業務用シンクのオーダー品製作などで生産形態は一品一様。100%新規品で、バフ研磨の仕事で取引がある厨房機器関連の板金サプライヤーが中心的なお客さまです。業務用シンクは、形状はそのままで寸法ちがいの製品が多いので、お客さまから加工図面を受け取った後は、当社が寸法の伸び縮みを行い対応。AP100でバラシ・展開・CAM割付、加工データを作成したあとは、EMZ-3610NTによるブランク加工、曲げ、溶接、仕上げ・研磨まで行って納品します。受注から納品までの平均的な納期は5日以内です」(八木社長)。
取り扱う材料は、ステンレス材が多くSUS430がメインでSUS304もある。主な板厚は0.8〜1.2mmで、板厚によっては近隣の協力会社に加工を依頼している。...

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