特集 外需を取り込みグローバル化する台湾板金業界

海外に拠点を開設グローバル展開で事業拡大
アマダのサービス体制と「VPSS」に共感
大型設備投資で生産能力を拡大していく

國威金屬工業股有限公司(GWO UEI)



会社概要
林崑鐔董事長林崑鐔董事長
1966年、林崑鐔董事長の父が興國鐵材として創業。1976年には順富鐵材有限公司と社名を変え、材料の販売を中心とした事業を展開。1998年に現社名に変更し、林崑鐔董事長が中心となって、「切って販売する」だけの仕事から、もっと付加価値を高めるためにレーザマシンやベンディングマシンを導入し、板金加工業へ参入した。その後は、黄尹亮総経理と林國K業務経理も加わった。2人はいずれもアメリカの大学で学位を取得、英語も堪能な国際人。
現在は、レーザマシンFO-MU RI 3015(4kW)と、FO-MU 3015NT(2kW)をはじめ、ベンディングマシンHDSシリーズ、3次元ソリッド板金CAD SheetWorksといった最新設備を導入。業種は問わない積極的な営業スタイルで、日本や米国をはじめ海外の仕事を取り込むなど、グローバル展開を積極的に推進している。今では林董事長も2人の努力を評価し、「積極的に営業展開するようにと指示されています」(黄総経理)という。

板金加工の仕事の海外比率は70%
レーザマシンFO-MU RI 3015(出力4kW)レーザマシンFO-MU RI 3015(出力4kW)
黄総経理は「当社の事業は、『鋼材加工業』と『金属加工業』の2つで、売上比率は50%ずつ。現在の得意先社数は約400社で、毎月200社程度から仕事を受注しています。『金属加工業』の仕事量の比率は、海外が70%、国内が30%。台湾における金属加工の市場規模は小さいため、今後は、さらに海外市場を開拓していきます。目標は世界的なOEMメーカーになることです」と意欲的に語る。
鋼材加工業も兼ねる同社は、得意先に板金加工企業を多く持ち、国内市場で市場開拓を行うと、得意先と真っ向から競合することになってしまう。そのため得意先との無用な軋轢を避けるためにも、海外市場の開拓を積極的に行うことを選択。黄総経理と林業務経理は米国への留学経験もあり、英語によるコミュニケーションは得意で、米国をはじめとした海外の仕事を積極的に取り込んでいった。そうして、8年前に米国大手メーカーとの間でパイプを築いたことが転機となり、そこから口コミで受注量が増えていった。また、インターネットで開拓先を調査して、営業活動を試みるというように新規開拓を積極的に行ってきた。
現在は、日系の鉄道車両メーカーや米国の自家発電装置メーカーの仕事も手がけている。両社とも事業部門を数多く持つため、同社にも色々な業種の仕事が発注されるようになっていった。得意先からの要望に応えるため、7年前に溶接工程から塗装まで対応してトータルなコストダウンを考えるようになった。
「好況な産業にだけ狙いを絞り、仕事を取り込んでいくというのは当社のスタイルではありません。『どのような仕事でも受注したい』という信念を持ち、常にQ,C,Dを高めていくことが重要です。当社の役割は、お客さまに加工技術提案やコストダウン提案を行い、一緒になって、製品を安く・速く加工し、納品することです」(黄総経理)。...

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