事例研究―― 変化に対応する板金企業

板厚3mm以下の薄板加工を極限まで追求
ファイバーレーザマシンFLC-3015AJ の1号機を導入

株式会社 ユウキ工業



ファイバーレーザマシンで差別化を図る
代表取締役社長の北澤芳恵氏代表取締役社長の北澤芳恵氏
「堅実な経営で会社を維持し、スタッフ全員の生活を守っていきたい。ただし、攻める姿勢を持っていなければ維持することはできません。そのため、コンスタントな設備投資、加工技術の蓄積といった攻めの姿勢は緩めません」と代表取締役社長の北澤芳恵氏は柔らかに語る。
(株)ユウキ工業は、通信機器・半導体製造装置関連などの精密板金加工を得意とする板金サプライヤー。顧客満足度を高め、得意先に必要とされるサプライヤーになっていくために、最新設備の導入を怠らない。そして今年2月、他社との差別化を図るための武器として、アマダの新商品であるファイバーレーザマシンFLC-3015AJ(出力2kW)の代表取締役社長の北澤芳恵氏1号機を導入した。

コンスタントな設備投資で確固とした土台を構築
YAGレーザ溶接ロボットYLR-1500UYAGレーザ溶接ロボットYLR-1500U
同社は1986年、代表取締役会長の結城昌臣氏が創業した。それ以前、結城会長は相模原地域の板金加工企業で10年近く勤めていた。しかし、勤め先の経営が立ち行かなくなり倒産してしまう。その際、現場・営業業務を取り仕切っていた結城会長に、得意先である光学機器メーカーと映像機器メーカーの2社が「管理だけでも良いから仕事を頼めないか」と依頼。得意先の要望に応えるため、結城会長はユウキ工業を創業した。
最初の2年間はブローカーとして、メーカーと協力工場の仲介役に徹していた。3年目に、以前の勤め先から付き合いがあるアマダの営業担当者が、パンチングマシンとベンディングマシン、セットプレスなどの加工機の導入を持ちかけたことがきっかけとなり、板金加工を再び手がけるようになった。
1990年には、32ビットのレーザマシンを、1992年には2台目のレーザマシンを導入することで、2台体制を構築した。万が一1台が故障しても、もう1台をバックアップとしておくことで、得意先に迷惑をかけることがなくなり、信頼を得た。
1993年、結城会長の長女である北澤芳恵氏(現社長)が同社に入社。経理・生産管理・製品検査などの業務に(上)FLCで加工した端子(真鍮・板厚2.0mm・70×20mm)(下)FLCで加工したステンレス・板厚0.1mmの「社章」従事するとともに、生産管理のデジタル化を進めるなど、ソフト面からも企業体質を強くしてきた。...

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