特集 事例研究――変化に対応する板金企業

「福田計器株式会社本社発電所」を立ち上げ、太陽光発電で300kWの売電開始
ファイバーレーザとYAGレーザ溶接システムを導入高品位溶接の自動化を目指す

福田計器 株式会社



太陽光発電所 (出力300kW) を立ち上げ
代表取締役の福田治氏代表取締役の福田治氏

同社の第1・第2・第3工場の屋根には総数1,260枚の太陽光発電パネルが敷設されている。「暑いぞ! 熊谷」のキャッチフレーズどおり、強烈な太陽の光を電気に変換し、全量を東京電力に売電している。
太陽光発電事業の話は昨年の10月頃、取引銀行からもたらされた。福田治社長は「再生可能エネルギーの普及を目指して、政府が2012年度中に認可した民間の太陽光発電所や装置で発電した電気を1kWあたり42円で、20年間保証して買い取ってくれます。本業の妨げにならず、新規の事業が立ち上げられる。これはおもしろい」と感じ、早速、太陽光発電設備の設置を計画する。
当初、銀行が紹介した施工業者は、工場屋根の設置部材を活用して施工するという。ところがそのためには屋根の耐荷重と建築時期が問題となり、築10年以上の建物には施工できない。同社で築10年未満の工場は第3工場しかなく、そこへ設置できる太陽光発電パネルは出力80kWが限界。それでは事業としてのおもしろみがない。
そこで、次に紹介された栃木県内の電設資材業者は、施工方法が異なるため、パネルの架台を屋根に取り付けるための治具や道板などを用意することで、第1・第2工場の屋根にも施工できると説明。最終的にはパネル1,260枚を敷設することで、出力300kWを発電できると分かった。

福田計器(株)の工場内。ブランク工程にはEMZ-3510 NT、EML-3510 NT、LC-3015 F1NTの3台が並ぶ福田計器(株)の工場内。ブランク工程にはEMZ-3510 NT、EML-3510 NT、LC-3015 F1NTの3台が並ぶ
投資総額は1億円強と大型になるが、1kWあたり42円で売電できれば、年間1,000万円程度の売上が見込め、約10年で償却できる。
1kWあたり42円、20年間買取り保証を得るためには、2013年3月末までに経済産業省に設置認可を申請しなければならず、すぐに関東経済産業局に必要書類を整えて認可を申請した。2013年1月27日には発電所開設の認可がおりた。4月に着工し、7月に完成。同月末からは東京電力への売電も始まった。
福田社長は「ほかの地域では、経産省の認可がおりたのに電力会社との売電契約が進まないとか、送電線を引き込む費用が高くなって採算が悪化した、といった話を耳にしますが、さいわい当社は工場のそばに電柱を1本建てるだけの工事ですみました。売電契約交渉も思ったほど難しくなく、スムーズに進み、設置後、日を待たずに売電を始めることができました。7月末から8月末までの累積発電量は3万5,000kWを達成、販売額は147万円にのぼります。東電さんの契約起算日が異なるため、9月頭の入金額は50万円でした」と順調に進んだことを語っている。...

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