〜SHEET NOW〜

ITツールを駆使、強みの"スピード"をさらに加速
社員全員にiPhone・iPadを支給 「vFactory」「アクティブメッセージ」で情報共有

株式会社 ミューテクノ



試作板金と量産プレスの両輪で成長
専務取締役の谷口栄美子氏専務取締役の谷口栄美子氏
(株)ミューテクノは東京都日野市にある板金試作メーカー。スマートフォンやタブレット端末などの情報端末やITツールを駆使し、強みである“スピード”をさらに強化。それとともに、デザイン性の高いメタルクラフト分野への進出も果たしている。
同社は1990年、創業者である松下誠孝会長によって設立された。松下会長は電気設備関係の技術者で、創業当初の主な仕事は野球場・東京競馬場・競艇場などに設置される電光掲示板の設計・施工だった。
創業2年目(1991年)には、将来の事業拡張を見越して、現在地(東京都日野市)の隣地にあったプレス工場を居抜きで購入。金型製作からプレス加工までの工程を取り込んだ。
3年目(1992年)には、バブル崩壊の影響もあって大手電機メーカーから受注する電光掲示板の仕事量が大幅に落ち込み、メンテナンスのみの受注となった。その後は、前年に購入したプレス工場で、自動車のシートまわりの仕事を手がけるようになる。さらに、プレス事業の収益を設備投資へ振り向け、パンチ・レーザ複合マシンを導入。板金業界へと参入した。

同社が開発したオリジナルグッズ「昆虫シリーズ」(ステンレス製)。工程統合マシンLC-2012C1NTで加工する同社が開発したオリジナルグッズ「昆虫シリーズ」(ステンレス製)。工程統合マシンLC-2012C1NTで加工する
その後、得意先の要望で250トンのプレス機を導入したのを機に、プレス事業部(金型含む)は新設した村山事業所(東京都武蔵村山市)へ移転。試作板金は本社、量産プレスは村山事業所という体制が完成した。
量産の仕事が海外へシフトする中、プレス事業は立ちゆかないとも思われたが、リーマンショック後は、板金事業の売上が従来の1/3に落ち込んだのに対し、プレス事業は安定的に成長した。反対に、2011年の3.11東日本大震災以降はサプライチェーンが崩壊した影響もあって、プレス事業が大幅に落ち込み、板金事業が会社を支えるなど、プレスと板金の両輪が補い合ってきた。 ...

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