〜SHEET NOW〜

レーザ+ワイヤ放電加工+マシニング=無限大
豊かな人脈で、「成長株」を掘り起し

株式会社 タシロ



モーターリゼーションを職種選定した先代の眼力
代表取締役の田城裕司氏代表取締役の田城裕司氏
同社の成り立ちは、現社長の父親・田城俊雄氏が家の周りの豊かな田園の中で、モータリゼーションの押し寄せる波をキャッチ、将来を見据えて自動車の販売と修理の会社を設立したところから始まる。やがて自動車部品のスポット溶接とプレス加工にまで事業を広げ、順調に推移、1971年には法人登記するまでになった。
1991年に工場を拡張、レーザマシンを導入し精密板金加工へ参入。以来、長男である田城裕司氏(現社長)が入社してからは最新のレーザマシンやパンチングマシン、CAD/CAMなどが導入されIT化は一気に加速した。
また、ISO9001の認証取得や、「かながわ中小企業モデル工場」の指定をうけるなど、製造業としての製品と製造工程の責任と、社員の働きやすさに留意している。即日対応――24時間コンビニ式対応で顧客満足度を上げる。
伸びる業種を探るツールのひとつとして、人脈の広さとともに、豊かに時間を使う社長の“生き方”も影響が大きい。

アンテナを高く掲げる
WILL受注・出荷モジュール+Mが発行したバーコード付きの作業指示書をハンディ端末で読み取り、進捗・実績情報を吸い上げるWILL受注・出荷モジュール+Mが発行したバーコード付きの作業指示書をハンディ端末で読み取り、進捗・実績情報を吸い上げる
これまでの主要製品は、半導体製造装置部品、オートバイ用アフターパーツ部品、鉄道車両部品、産業用機械部品、自動車部品の試作など。
しかし「リーマンショック後、今まであった仕事がパタリとなくなりました。ただ、新幹線の床板の仕事があったため、急場を凌げましたが、それも今はお休み状態」と田城社長は語る。
「近況で安定している仕事は医療機器関連です。今は東京に本社を置き、グローバルに事業を展開している歯科材料および歯科医療機器・器具の製造販売している大手企業から、歯科診療ユニットのパーツなどを受注しています。歯科治療用ユニットの中の50点くらいの部品アイテムを受注。当社の売上比率は25〜30%になりますが、工数は40%くらいを占めます。同社は適地生産を推進し、ワールドワイドに展開、中国にも新たな製造拠点として工場を建設、製造や組立を始めています。当社で製造した部品を同社の工場へ納め、そこから中国へ輸出し、向こうで組み立てて、販売しています。同型製品の中国での販売価格は、日本の1/4程度のようです。人口が多いため、まだまだ需要は続く様相です。そうした関係で、5月ごろから輸出用の部品生産が増えてきました。また、来年からの消費税増の可能性を見込み、増税前の駆け込み受注を見込んで在庫を持ちたいと、前倒しで発注が増えている状況で、年内はこの調子で増産基調が継続すると思います」。...


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