〜Next Generation〜

7つのコンセプトに対応する最先端ベンディングマシンHGシリーズ
高剛性・高生産性・イージーオペレーション・加工範囲拡大・環境配慮・安全性向上・システム拡張性

(株)アマダ ベンディング第一開発部 大久保 孝則



ベンディングマシンのハイエンドモデル「HGシリーズ」
近年、製造現場では、多種少量生産から変種変量生産へと生産スタイルが変化してきています。さらに、レーザ加工や自動プログラミングの進歩により、ベンディング製品の加工形状も3曲げ4曲げの単純形状から、複数の部品を一体化したような切り起こし曲げや、斜め突き当てなどが必要な曲げ形状も多く見受けられるようになっています。さらに、曲げ角度や穴位置の同芯性など、加工精度への要求も高まってきています。
その一方、少子高齢化が進む中、曲げ作業を行う作業者として、プログラム〜段取り〜試し曲げ〜実曲げとすべての工程を行える熟練作業者から、脱熟練作業者への移行ニーズが高まっています。より使いやすく、経験の浅い作業者にも受け入れられる商品を開発することが必要となっています。
アマダはこのほどベンディングマシンのハイエンドモデルとして「HGシリーズ」を開発。曲げトン数は50トンから220トン、曲げ長さは2mから4mまでのラインナップをそろえました。
HGシリーズは、高剛性・高生産性・イージーオペレーション・加工範囲拡大・環境配慮・安全性向上・システム拡張性――7つのコンセプトをもっています。これら7つのコンセプトをひとつひとつ創り上げ、一体化することでHGは完成しました。

トータルソリューションの推進により高い生産性を実現
図3「Lシフト」(左右L軸の独立駆動)により、不安定だった突き当て作業の安定加工を実現図3「Lシフト」(左右L軸の独立駆動)により、不安定だった突き当て作業の安定加工を実現
HGは、従来の「HDSシリーズ」で培った高剛性・高精度加工を継承し、向上させ、これまでアマダで進めてきたネットワーク化も強化しています。
付加価値のひとつとしては、これまでつくり上げたソリューションを業種別に組み合わせ、統合させた「トータルソリューション」の考え方を創りました。このトータルソリューションの考え方により、従来機より高い生産性を実現しています。
一例を挙げますと、精密機器向けの7曲げ(ロットサイズ5)の製品において、従来機はプログラムから段取り、試し曲げ、実曲げまで45.1分かかっていました。HDSでは、VPSSによるプログラムの外段取り化や、ステップベンドレイアウトによる金型段取り時間の削減により、63%の生産性の向上が確認されています。
さらに、HGでは、トータルソリューションとして、曲げ角度センサー「Bi-S」による試し曲げの削減、「Lシフト」(左右L軸の独立駆動)による不安定だった突き当て作業の安定加工(図3)、「AMTSV」による金型段取り性の向上、新ハイブリッドドライブシステムによる高速加工などを実現。これらの効果により、HDSからさらに26%もの生産性の向上が確認されています。
このように、ステップベンド加工による生産性向上効果が高いソリューションを組み合わせ、ベンディング用の新型コントローラー「AMNC 3i」によって統合し、リアリティが高いバーチャルイメージを駆使することによって、より使いやすく、より生産性を高めることができる商品となっています。
トータルソリューションのラインナップとしては、ほかに「長尺曲げ用」「パネル曲げ用」「中板厚曲げ用」を準備し、汎用機として幅広いお客さまのご要望にお応えできるようにしています。...

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