特集 〜モノづくりアイランド・九州〜

自分たちの技術がどう評価されるか――
第25回優秀板金製品技能フェア「単体品の部」で金賞を受賞
「発想から製品まで一貫したシステム」で対応

ナサ工業 株式会社



設計から板金・塗装・配線までワンストップで対応
製作メンバーによる受賞の雄叫び。後列左より、専務取締役の長澤敏光氏、澤田辰貴さん、瀬戸浩二さん、木原昭宏さん、田原茂さん。前列左より、松若麻依さん、吉田祐貴さん、山下靖司さん製作メンバーによる受賞の雄叫び。後列左より、専務取締役の長澤敏光氏、澤田辰貴さん、瀬戸浩二さん、木原昭宏さん、田原茂さん。前列左より、松若麻依さん、吉田祐貴さん、山下靖司さん
同社は1969年、現会長の長澤儀久氏が自宅横で、板金加工を行う個人会社として創業。事業は徐々に拡大し、工場移転・増築を経て、1974年に板金工場を新築、ナサ工業(株)として法人化した。
1983年頃からは、エレベータ・エスカレータなど昇降機関連の部材加工を受注するようになり、製作と施工を請け負うようになる。それとともに、単なる部材加工にとどまらず、サブアッシーにも対応し、塗装・配線まで行える総合板金加工業者として設備を充実していった。
同社独自の板金設計と精密板金加工技術を活かし、形状・構造の提案を行い、高品質・低コストな製品化に取り組むことで、ケース・製缶構造物・精密板金といった昇降機以外の他業種も開拓していった。
2010年より優秀板金製品技能フェアへの挑戦を継続。2010年(第23回)に出展した「ピサの斜塔」、2011年(第24回)に出展した「傘」が技能賞を受賞するなど、着実に成果を上げていった。そして、2012年(第25回)に「単体品の部」で出展した「壺」が見事、金賞を受賞した(他部門に出展した2作品「正六面体パズル」「豪華客船」も技能賞を受賞)。

昇降機関連に加え医療機器も好調
曲げ加工曲げ加工
2009年、現在地に本社社屋と工場を建設した。工場内部の什器や床板、壁板には木材をふんだんに採用し、作業者が安心して安全に働ける環境をつくりあげている。広いエントランスから続くオフホワイトとグレーを基調にした外観は、スマートでおしゃれなファッションビルの様相を呈している。
この工場で、OA・FA機器ケース、配電盤・制御盤、エレベータ・エスカレータの外装・付帯製品の板金加工から溶接・塗装・配線と、多岐にわたる工程の仕事をワンストップでこなす。
スタッフは総勢82名。このうち板金工程に携わるのは約60名。昇降機カバーの意匠設計から、板金設計・電気設計まで行うため、3次元CAD SolidWorksを7ライセンス導入。SolidWorksによる製品モデルの作成からバラシ・展開までを行う設計者は7名。板金加工用のCAM作成を担当するプログラマは3名。社長と専務を除く専任の営業担当者は6名。九州地区を中心に手広く営業活動を行っている。...

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