特集 〜モノづくりアイランド・九州〜

技、極まる
" 人財"づくりの一環で、優秀板金製品技能フェアに応募
厚生労働大臣賞 回、経済産業大臣賞を連続受賞

株式会社 田名部製作所



第1回目の経産大臣賞を受賞
優秀板金製品技能フェアで厚生労働大臣賞(第20、23、24回)と、経済産業大臣賞(第25回)の受賞作品を製作担当した主幹事一同。左より、富崎真二さん、世戸口大輔さん、大城弘文さん、吉田和喜さん優秀板金製品技能フェアで厚生労働大臣賞(第20、23、24回)と、経済産業大臣賞(第25回)の受賞作品を製作担当した主幹事一同。左より、富崎真二さん、世戸口大輔さん、大城弘文さん、吉田和喜さん
(職)アマダスクール(理事長:岡本満夫氏)が主催する「優秀板金製品技能フェア」では第25回(2012年度)より、特に優れた製品が顕彰される「厚生労働大臣賞」に加え、新たに「経済産業大臣賞」が加わった。その栄えある第1回目は、(株)田名部製作所の「スクリューフィーダー」が受賞した。同社はこれまで、同フェアで各種の賞を多数受賞するとともに、第20回、23回、24回と3回、厚生労働大臣賞を受賞している。

機械加工から板金加工へ置換した「スクリューフィーダー」
スクリューの立体姿図スクリューの立体姿図
「経済産業大臣賞」を受賞した「スクリューフィーダー」について田名部淳社長は「スクリュー羽根部の製作を、従来の切削加工から板金加工に置き換えることがテーマでした。
まず、1本のスクリューを、スクリュー部品A・B・Cといったように細かく分解し、それらの部品(3枚の平板)を貼り合わせることで、羽根部の"ひとつ"が完成します。その羽根部の"ひとつ"をらせん状につなげていくことで、1本のスクリューが完成します。次に課題となったのは2本のスクリューの均一性です。均一性がないとスクリューを回転させた時に、隣接する羽根が干渉してうまく回りません。干渉を防ぐためには、平板からのひねり曲げ加工の精度や、溶接加工時の歪みを抑えることが非常に重要です。溶接順や調整など、細かい点で様々な工夫をしています」と語る。

発想の転換がポイント
同フェアの審査委員会副委員長の飯田詢氏は「同作品のポイントは何といっても"発想の転換"。従来、スクリューは丸棒を切削加工しないと製作できないという固定観念がありました。同社はその固定観念から脱却しました。おそらく従来に比べ、コストは半分以下に、納期は1/10程度に縮まったのではないでしょうか。極めてユニークであり、第1回の『経済産業大臣賞』にふさわしい作品です」と評した。...

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