特集 〜"変化"しつづける精密板金のメッカ・京都〜

継続的な設備投資と"自動化"が生き残りのカギ
年商10億円企業を目指し"お客さま目線"を徹底追求 ACIES導入が自動化、競争力強化、社員のモチベーションアップに貢献

株式会社 ケイテイエフ



"お客さま目線"に立ち、品質の維持向上とサービス徹底を図る
代表取締役社長の奥田忠男氏(左)、代表取締役社長の奥田忠男氏業務・製造統轄部長の猪飼隆広氏(中央)、今年4月に入社した奥田孝太さん(右)。6月からアマダスクールが運営する経営後継者育成講座「JMC」(Junior Management College)に参加代表取締役社長の奥田忠男氏(左)、代表取締役社長の奥田忠男氏業務・製造統轄部長の猪飼隆広氏(中央)、今年4月に入社した奥田孝太さん(右)。6月からアマダスクールが運営する経営後継者育成講座「JMC」(Junior Management College)に参加
(株)ケイテイエフは、京都府南部の城陽市にある精密板金企業。高速道路照明、道路情報板、半導体・FPD製造装置関連、厨房機器、鉄道車両の内外装などのステンレス製品を中心に手がける。
創業者である奥田忠男社長は、現在の主要得意先のひとつでもある大手産業用照明機器メーカー(大証2部上場)の購買課で長く勤めたのち、バブル崩壊を機に脱サラして1992年に同社を創業した。前職で購買課長も勤めた奥田社長は、メーカーがサプライヤーに求めることに対して理解が深く、その発言や取り組みは首尾一貫して「品質の維持向上とサービス徹底こそがお客さまの満足を生み出す」というポリシーに基づいている。
奥田社長は「どうしたらお客さまであるメーカーに喜んでもらえるか常に考え、時代の変化に対応していかなくてはなりません」と語っている。
「例えば、メーカーの間で『仕事を一括で出したい』という考え方が普及してきたら、我々サプライヤーもその要望に応えられるように変化する必要があります。メーカーにとっては、伝票を1枚発行するだけで数百円のコストが発生しますし、受入・検査や管理業務の工数もかさむので、一括で依頼したいという要望はよく理解できます。景気が減速する局面で、日々変わるメーカーの要望に対して選り好みをしていたら、仕事を発注してもらえるはずがありません。任せていただければ全部やるというスタイルで、お客さまに少しでも付加価値が生まれ、満足していただけるように努めることが大切です」。
同社はこうした奥田社長特有の"お客さま目線"を徹底追求し、得意先から高い評価を得てきた。

継続的な設備投資が生き残りのカギ
高速道路の雪割屋根の溶接作業高速道路の雪割屋根の溶接作業
奥田社長は「加工業に携わるからには、新しい設備を継続して導入していくことが不可欠」とも語っている。
「お客さまは、古いマシンと職人技でぎりぎり精度を保てる会社と、新しいマシンで目をつぶっていても精度よく加工できる会社のどちらを選ぶか――結果は明らかです。毎年のように、より高精度でハイスピードなマシンが発表されます。その周期から2〜3周遠ざかってしまうと、今度は社員がついてこなくなります。設備が動くから使い続けるのではなく、生産合理化、競争力強化、社員のモチベーションアップなどを目指し、新しい設備を導入していかないと生き残れないという危機感をもって、日々の仕事に取り組まなければなりません。階段をのぼるように一歩一歩、継続的に設備投資をすることができなくなったとき、会社は廃れていくのだと考えます」。...

つづきは本誌2013年7月号でご購読下さい。