特集 〜"変化"しつづける精密板金のメッカ・京都〜
伝統を守りながら"変化"を続ける京都 京都は長寿企業が多いことでよく知られている。 全国には創業100年を超える「老舗企業」が2万7,000社以上(製造業は7,000社超)ある。老舗企業の社数をみると、京都は東京・大阪・愛知に次ぐ4位だが、老舗企業の構成比(老舗企業輩出率)では全国1位をほこる。平均企業年齢も、山形に次ぐ2位(40.7歳)となっている(日本商工リサーチ、帝国データバンク調べ) 「老舗」という言葉からは保守的なイメージを抱きがちだが、実際には長年の技術や信用を礎としながらも、時代に合わせた新しい発想やパラダイムを採り入れ、"変化"を続けてきた。だからこそこうした企業は、長年にわたり企業を存続できたともいえる。 「精密板金のメッカ」 京都最大の産業は、観光ではなく製造業。古くは平安時代の伝統工芸にまで遡る京都特有のモノづくりの文化は、現代にいたっても脈々と受け継がれている。 行政は創業支援、設備投資補助、市場開拓推進事業補助、知的財産権の外国出願支援、海外進出支援、産官学連携支援など、中小製造業を対象とした独自の公的支援制度を充実させ、産業振興に取り組んできた。 また、京都大学をはじめとする多数の大学が集まっており、産官学連携の活動を通して独自の先端技術を掲げたベンチャー企業が次々と生まれている。 京都銀行、京都中央銀行、京都信用金庫といった地方金融機関が果たしてきた役割も大きく、優れた技術をもつ中小製造業の発掘と資金提供を長年にわたって実施してきた。中でも京都銀行はオムロン(旧・立石電気)、大日本スクリーン、京セラ、ニチコンなどをサポートしてきた実績をもっている。 現在では、京セラ、オムロン、村田製作所、ジーエスユアサ、日新電機、大日本スクリーン、島津製作所――電機・電子機器、電池・電源関連、半導体・FPD製造装置、医療機器、計測機器などの名だたる大手ハイテク企業が京都に本社を置いており(図表)、板金業界でも京都は「精密板金のメッカ」と呼ばれてきた。... つづきは本誌2013年7月号でご購読下さい。 |