〜Event〜

「第5回 データセンター構築運用展」開催
耐震・免震・制震ラックと省エネ空調がトレンド



「データセンター構築運用展」が2013年5月8日から10日の3日間、東京ビッグサイトで開催された。同展は春と秋の年2回開催される「Japan IT Week」を構成する展示会の1つで、データセンターの構築・運用に関わるソリューションを一堂に集めた専門展。サーバーラック・電源装置・UPS・空調設備といったデータセンター関連設備や、ネットワーク機器などが多数出展された。期間中の来場者数は「Japan IT Week」全体で8万4,534人。「データセンター構築運用展」にはデータセンター事業者やデータセンターを設計するゼネコン関係者などが訪れ、活発な商談が交わされた。
耐震・免震・制震ラックがトレンド
日東工業が出展した制震サーバーラック「ガルテクト」(幅700mmサイズ)日東工業が出展した制震サーバーラック「ガルテクト」(幅700mmサイズ)
データセンタービジネスは現在、データトラフィック(通信量)の増大、クラウドコンピューティングの普及、東日本大震災の影響によるBCP(事業継続計画)対応による需要拡大などにより活況となっている。また、需要拡大にともない、(1)サーバーラックの耐震・免震・制震対策、(2)空調・電源装置の省エネ化――が大きなトレンドとなっており、出展各社はこうした市場ニーズに対応する新商品を出展した。
今回、サーバーラックを出展したのは、日東工業、河村電器産業、ニッキャビ、摂津金属工業、リタール(ドイツ)、タイコエレクトロニクス(米国)など。
日東工業は「2重フレーム制震構造」を採用し、地震の揺れがサーバーに伝わりにくい制震ラック「ガルテクト」を出展。従来製品の幅800mmサイズのほか、ニーズが多かった幅700mmサイズを新たに発表。ガルテクトのフレームはロールフォーミング加工で製作され、同社の本社・名古屋工場(愛知県長久手市)で生産している。
河村電器産業は、剛性を高め、アンカーボルトで床面に固定する方式の耐震ラックを発表。同社のラックはフレーム(板厚1.6〜2.3mm)・パネルなどほとんどが板金製品で構成され、つくば工場(茨城県稲敷郡)で生産している。ブース担当者は「ラックのフレーム構造は、形鋼やロールフォーミング加工による組立式と、板金による折り曲げとリブ補強の方式とで二分される」としている。
その一方でリタールは、昨年10月に発表した新型ラック「TS IT」をPR。工具レスで組立工数を従来品の1/3に短縮するとともに、耐荷重1,500sの剛性を実現。日産3,000台(ドイツ・ヘルボルン工場のみの生産台数。日本市場へは中国・上海工場から供給)というスケールメリットを活かし、低コスト・安定品質・クイックデリバリーをPRしていた。

省エネ空調システムにも高い関心
省エネ空調システムは、三菱電機、日立製作所、デンソー、高砂熱学工業などが出展した。サーバールームは温度を35℃程度より低く保つ必要があり、データセンター全体の消費電力量のうち空調設備が約30%を占める。...

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