〜SHEET NOW〜

“ゲリラ型商法”で大手メーカーと太いパイプを構築
新しい機械を導入し、若いヒトを育てるツールに

有限会社 合同製作所



産みの苦しみからスタートした企業
代表取締役の鈴木啓仁氏代表取締役の鈴木啓仁氏
同社の法人としての成り立ちまでの経緯を聞いて、あまりの壮絶さに絶句した。
現社長である鈴木啓仁ひろよし氏の父親(故・鈴木義雄氏)が1957年、大阪市塚本で鉄鋼関係を扱う鈴木製作所を個人創業。コツコツと誠実に仕事をこなし、仕事の幅も着実に広げてきた。しかし、大口の得意先が突然倒産。連鎖的に、同社も会社整理に追い込まれた。工場・設備・土地――すべてを失くしてしまった。
会社整理後はいったん、先代の出身地であった滋賀県米原市に戻り、1972年に現在地(滋賀県米原市)に工場を立ち上げ再起を果たした。翌年、牛同製作所として法人改組、先代の長男である鈴木啓仁氏が若干23歳で社長に就任した。
その陰では、父である先代の企業人・職人としての仕事への取り組み方やノウハウだけでなく、従来からの得意先や親戚の助言や支援、不慮の事故により道半ばで亡くなってしまった鈴木社長の弟(当時、専務)の存在が支えとなっていた。

「合同」の由来は“GO(前進)”と“DO(行動)”
プレスマシンTPシリーズで、ワンウェイパレット用椀型脚のプレス加工を行うプレスマシンTPシリーズで、ワンウェイパレット用椀型脚のプレス加工を行う
若くして会社を継承した鈴木社長や専務に就任した弟は、改めて設立した会社に先進的な社名をつけた。仕事は選ばず、コストや納期が厳しい仕事でも「会社や社員の技術蓄積のため、お客さまとのつながりを広げるため」と励まし合い、対応していった。
大阪時代の得意先も、同社のミスで会社整理に追い込まれたわけではないことを承知していたので、同社が事業を再開したことを知ると、その技術力を見込んで再び声をかけるようになった。
そうして、建設機械のリースなどを行う大証2部上場(現在は1部上場)の企業からハイドロウォッシャー、バイブレーションランマーなどの仕事を安定的に受注できるようになった。この仕事は、新会社になって鈴木社長が初めて独力で成約した大規模な案件となった。その後、軌道に乗ってからは業績も安定していった。
設備も適時、セットプレス、ベンディングマシン、シャーリングマシン、タレットパンチプレスなどの板金機械設備を導入してきた。2002年にはレーザマシンFO-3015+LST-3015FO、2007年にはFO-2412NT+ASF-2412FOなどを導入した。
ビルやマンションなどの建設・修繕現場で、建物外壁側に仮設の足場を組むための仮設資材ビルやマンションなどの建設・修繕現場で、建物外壁側に仮設の足場を組むための仮設資材
その間、滋賀県に工場を持つ大手農業機械メーカーから、エンジン・各種ユニット・コンポーネントなどの部材を積載して、国内外の工場へ搬送するためのリターナブルパレットや、中国の工場へ出荷する部材を積載するワンウェイパレットなどの仕事を受注。さらに、ビル・マンションの建設・修繕の現場で、建物外壁側に仮設の足場を組むための仮設資材や建設資材の仕事なども受注するようになった。...

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