〜TOPICS〜



レーザ市場
2012年の世界の産業用レーザ加工システム市場は約1兆円



前年比1%増と低い伸び率
2012年の世界のレーザ加工システムの市場規模推移/Optech Consulting2012年の世界のレーザ加工システムの市場規模推移/Optech Consulting
スイスの調査会社Optech Consultingによると、2012年の世界の産業用レーザ加工システムの市場規模は102億ドル(9,588億円、1ドル94円換算)で、前年実績を1%上回った(グラフ)。
市場の成長度合いは、地域によって大きく異なった。欧州市場は債務危機の影響で前年比8%減。欧州市場は世界市場全体の30%以上を占め、ここで8%減となったことが世界全体の成長に大きく影響した。東欧や英国は2ケタの成長率で大きく伸びたが、欧州南部の地域で市場が縮小した。
北米市場は、カナダと米国が前年比2ケタの伸びとなった。標準的なレーザ加工機(例えば2次元レーザ加工機)の需要は25%以上増加した。売上高は2008年のリーマンショック前のピークを大きく超えた。
北米におけるレーザ加工システムの成長は、米国製造業界の復活を反映している。しかし、北米市場のシェアは世界全体のおよそ15%で、世界のレーザ市場に対する影響は限定的といわざるを得ない。
韓国市場はアジアにおけるレーザ加工システム市場の成長機関車となり、30%の伸びを示した。しかし、中国の成長率はわずかにとどまり、日本は前年比で横ばいだった。
レーザ加工システムは資本財であり、景気の影響を受けやすい。2012年の世界経済の動向はジェットコースターのように目まぐるしかった。年初から、欧州の経済予想は経済危機のため落ち込んだ。そのため欧州が主要な貿易相手国となっている中国などの新興国も緩やかな成長にとどまった。欧州経済が低迷した影響で、中国の輸出が減速したためだ。

材料加工の用途は市場全体の1/3に相当
レーザ加工システムの用途をみると、半導体・FPD関連業界では、スマートフォンや、タブレットPCに必要な半導体向けが伸びた。レーザ加工システムは、切断や溶接が主な用途だが、ディスプレイ・集積回路・プリント基板のような電子部品の製造にも多く使われる。タッチパネル用ガラスの切断などにも使われている。
そのほかの成長分野では自動車産業が挙げられる。自動車メーカーとサプライヤーは、燃料電池や車体の切断・溶接にレーザ加工システムを活用している。
材料加工の用途は、市場全体の約1/3に相当する31億ドル(2,914億円)を占めた。その中でも近年は、ファイバーレーザを含む固体レーザが急速に市場を拡大し、シェアを大幅に伸ばしている。...

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