特集 〜“ムダ取り” “見える化”を進める農業機械業界〜

新工場開設・新設備導入で燃える板金加工集団
農業機械・建設機械・産業機械・運搬車両分野に加え、新たな事業を開拓していく

良金工業 株式会社



新工場へ移転
代表取締役の加山貴之氏代表取締役の加山貴之氏
小誌は2010年にも同社を訪問した。用水路の脇にあり、大雨が降ると工場の中まで浸水し、大慌てで製品などを移動させないといけない環境での奮闘ぶりを取材。当時は農業機械関連40%、小型建機20%、産業用機械関連20%などとなっていた。
今回、再び取材のアポを取ると、住所が変わっていたため、Webサイトで大急ぎで確認してからの訪問となった。

新工場は1,360坪の土地に820坪の建物
農業機械向けの板金加工部品農業機械向けの板金加工部品
岡山駅から車で30分、JR妹尾駅から15分――主要幹線国道30号線から直につながる大型工業団地の一角に建つ新工場の敷地は、大型トラックがゆうに入れる広さがあり、建屋はオフホワイトの外観で、しっかりとした風格がある。聞けば某化粧品メーカーの物流倉庫の跡地を居抜きで買い取ったとのこと。
経緯はこうだ。
(株)良金工業は、1973年に自動車部品をプレス加工する個人会社として創業。1979年に法人化して以来、狭隘な旧工場ではあったが、父親の代からの優良企業との取引を続けながら、誠心誠意、モノづくりを続けてきた。しかし、次第に工場の狭さや納期対応がネックとなっていった。
多品種少量生産を見越して、レーザマシンLC-2415αVNTやLC-2412F1NTを導入し、マシンのデジタル化・ネットワーク化も推進してきた。加山貴之社長は「お客さまには最高の品質とスピードでお届けしたい」との想いで、新しくパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NTを棚付きで発注した。
ところが、どれか他の設備を出さないと工場内に収まらない。しかし、どれも便利な機械ばかり。考えた末に、工場の移転を決意した。しかし、社員のために、あまり遠い場所は敬遠したい――そして、現在の工場を見て決定した。
1,360坪の敷地に美しい工場――事務所棟も別に建っていた。しかし、得意先への部品供給を円滑に行うためには工場だけでは不十分。受注製品の10%を保管できる倉庫が必要との考えで、建屋を購入後、新たにスタッカークレーン付きの382棚の自動倉庫を装備した倉庫を建設。工場・倉庫をあわせると820坪の建屋となった。...

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