特集 〜スマートグリッドに関わる主要機器と板金市場動向〜

太陽光発電システム向けの“パワコン需要”が拡大

スマートグリッドの電力インフラがもたらす受配電関連ビジネスに期待

株式会社 プラントリイ



大型盤筐体の製作を得意とする盤筐体メーカー
取締役社長の鳥居史郎氏取締役社長の鳥居史郎氏
(株)プラントリイがある兵庫県宍粟(しそう)市千種町は、明治初期ごろまで「たたら製鉄」※が盛んで、良質な鉄の産地だったことから“天領”(江戸幕府の直轄地)となっていた。
そうした土地柄を背景に、大正時代に鳥居史郎社長の曾祖父が鍛冶屋を創業。1972年には、鳥居社長の父親(会長・鳥居秀行氏)が鳥居鉄工所を設立。1980年頃から板金業へシフトした。現在は鳥居社長が前社長の叔父(相談役・鳥居秀次氏)とともに会社を引っ張っている。
当初は姫路市内の大手電機メーカーから受配電盤筐体の仕事を受注。その後、大手重電メーカーを中心に得意先を増やしてきた。また、昨年秋口からは関西の大手産業機械メーカーより、太陽光発電システムなどで発電された直流電気を、交流に変換するパワーコンディショナー(以下、パワコン)の筐体製造の仕事も受注。容量250kWの産業用パワコンを月間50台製造している。

サービス業から転身した5代目社長
パンチングマシンEMZ- 3610 NT+ASR- 48 M(棚付き)パンチングマシンEMZ- 3610 NT+ASR- 48 M(棚付き)
鳥居社長は現在37歳で、営業担当として新規開拓に飛び歩く。もともと独立志向が強かったため、大学卒業後は企業の基幹業務向けのシステムエンジニアと大手温浴施設の支配人というまったく畑ちがいの職業を経験して、会社経営に必要なノウハウを身につけた。7年前に実家を継ぐために帰郷し、同社に入社した。

“大物板金技術”で信頼と安心を提供
鳥居社長は同社の経営理念や行動指針について次のように語っている。
「当社は“大物板金技術”で“信頼と安心”をカタチにします。そして、“お客さまにとっての価値”を知り、それに応え続けることで、お客さまから必要とされ続ける存在でありたいと願っています。そのために当社の進むべき方向として(1)基本を最も重視せよ、(2)人間性を高めよ、(3)技術力を高めよ、(4)進化せよ――の4つを経営理念として示しました。社員とのコミュニケーションを絶やさず、社員の自主性を尊重しながら仕事を行っています」。...

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