特集 〜スマートグリッドに関わる主要機器と板金市場動向〜

パワーコンディショナー・受配電盤・蓄電池などが板金需要を押し上げ



電力小売り自由化・発送電分離が配電システム関連機器の需要を後押し
●グラフ 世界の「スマートシティ」累計市場規模予測
日経BPクリーンテック研究所『世界スマートシティ総覧2012』●グラフ 世界の「スマートシティ」累計市場規模予測
日経BPクリーンテック研究所『世界スマートシティ総覧2012』
日本におけるスマートグリッドは、米国のような停電対策の手段としてではなく、省エネ対策や、再生可能エネルギーの普及促進との関連で語られることが多かった。
その後、2011年3月の東日本大震災と原発事故で、原発や火力発電といった大規模集中型の電源から一方的に送電する方式がもつ、様々な課題が浮上してきた。(1)電源がダメージを受けたときの影響が広範囲におよび復旧に時間がかかる、(2)きめ細かな需要予測と供給管理ができない、(3)電源周波数が東日本(50ヘルツ)と西日本(60ヘルツ)で異なり電力の融通が難しい、(4)需要家に電力会社を選択する余地がない――などである。
こうした課題を受け、再生可能エネルギーや蓄電池といった小規模分散型の電源は、大規模集中型の電源のバックアップ――BCP対策の手法として再認識され、スマートグリッドはそれを支えるシステムとしての意味合いも持ち始めている。
また、経済産業省の「電力システム改革専門委員会」は今年2月に発表した報告書で、「電力システム改革案」を提示。2020年までに、電力小売りの自由化と発送電分離を目指すことを掲げた。工程表も盛り込み、(1)強い権限をもち全国レベルで計画的な電力市場の運用をになう「広域系統運用機関」(仮称)の創設(2015年目処)、(2)電力の小売り参入の全面自由化(2016年目処)、(3)送配電部門の法的分離と料金規制の撤廃(2018 〜 2020年目処)――の3段階で進めるとしている。
さらに、「広域系統運用機関」(仮称)の設立後のはたらきとして、「連系線・広域送電線の整備」「需給・系統の広域的な運用」が盛り込まれ、これらはスマートグリッドとも密接に関係すると考えられる。...

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