特集 〜成長が期待される医療機器分野の板金〜

歯科用医療機器製作への布石──各種資格・認定証を取得

創業から半世紀を経て若い世代が活躍するステージへ

株式会社 佐々木工業



「佐久市工場団地」で35年操業
FLWの前に立つ佐々木正行会長(左)と佐々木将臣社長(右)FLWの前に立つ佐々木正行会長(左)と佐々木将臣社長(右)
2月の信濃路、吹雪が舞う中、(株)佐々木工業へ伺った。暖かい事務所で、佐々木正行会長と、子息で現社長の佐々木将臣氏にお話を聞いた。佐々木社長は36歳で、3年前に社長職を譲り受けた。
同社は、佐々木会長の父親がプレスを主とする個人企業として1959年に創設した。佐々木会長は別の企業を経験後、1976年に入社し、2代目社長に就任。社長就任と同時に社名を(株)佐々木工業に改め、順調に事業を進めてきた。
やがて、仕事量が増えてきたため、工場が手狭になってきた。そこで1978年、佐久市内で操業する中小製造企業14社が集まる「佐久市工場団地」に移転を決めた。当時はまだ若い会社だったため、「厳しい審査をパスできるか不安を感じた」(佐々木会長)というが、過去3年間の決算書を提出して、きっちりと納税していることも証明し、審査をパスして同工場団地事業協同組合に加盟した。
同時期に入居した14社は当初から志をひとつにして、共同受注・共同購買とともに、「同じ機械は入れない」「お互いに融通し合ってみんなで完成品に仕上げる」という約束が交わされていた。
現在、同組合を構成する企業は8社に減ったが、実績35年の成功例は全国でも稀と評されているという。

新工場へ移転後、精密板金分野への進出を図る
ファイバーレーザ溶接された試験機のボックスケースファイバーレーザ溶接された試験機のボックスケース
工場の移転にともない、ふさわしい設備を入れたいと考え、アマダのベンディングマシンを導入。ユニパンチプレスをPEGAに入れ替え、1987年には地域の同業者に先駆けて自動倉庫MARSとレーザ加工機LC-644Uをいち早く導入し、精密板金加工設備を整えていく。
恵まれたインフラをさらに活かすため、佐々木会長は早くから精密板金加工を志向してきた。また、最新の設備を導入するとともに、ISO9001だけでなく、「医療機器製造業許可」も取得した。
「精密板金のセブンイレブン」「即日完納可」を実践するとともに、業界に先鞭をつける最新のマシンの導入により企業としての独自性を出し、安定企業への道筋をつけてきた。 ...

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