特集 〜成長が期待される医療機器分野の板金〜

コスト対応力が求められる医療機器業界

X線検査装置・臨床検査装置・歯科用電気炉の板金加工に取り組む

株式会社 伊藤製作所



精密板金加工・表面処理・電子機器組立の"トライアングル"
代表取締役の伊藤博一氏代表取締役の伊藤博一氏
(株)伊藤製作所は1965年に創業、1969年に法人として設立されて以来、溶接工程を含む精密板金加工を行ってきた。1978年に電子機器組立事業を開始し、1988年にはメッキ・塗装、1999年にはシルクスクリーン印刷と、事業領域を拡大。(1)精密板金加工、(2)メッキ・塗装・シルク印刷を含む表面処理、(3)電子機器組立の"トライアングル"で発展してきた。
こうした経営努力が評価され、2012年2月には.京都高度研究所から、優れた事業計画(パワーアッププラン)で積極的に経営革新に取り組む京都府内の中小企業に与えられる「オスカー認定」を受け、地域経済の中核を担う中小企業として発展している。

オスカー認定企業
HDS-8025NT、FBDV -8020NTなど各種ベンディングマシンが並ぶ曲げ工程HDS-8025NT、FBDV -8020NTなど各種ベンディングマシンが並ぶ曲げ工程
創業者の長男として3代目社長に就任した伊藤博一氏は今年50歳。自らが生まれた2年後に会社が誕生し、会社とともに自らも成長してきた。それだけに事業継承に対しては強い意志を持っている。
伊藤社長に話を聞いた。
「オスカー認定にあたって、当社が計画したパワーアッププランは、塗装工程の設備強化により、精密板金加工・メッキ・塗装・シルク印刷・機器組立の一貫生産ラインを充実させ、新分野の開拓を目指すことです。熟練技術と環境維持のノウハウを要するため新規参入が難しい塗装工程を、設備強化や人材育成によって当社事業の柱とします。これにより、得意先のQ,C,D要求に対応して顧客満足度を向上させるとともに、新規得意先の開拓につなげ、国内製造企業として勝ち残りを図る計画です」。
「創業以来、当社の強みは高度な精密板金加工技術と溶接技術です。この強みをさらに強くするには、加工・溶接工程の川下にあたる表面処理・機器組立能力を強化することが必要だと考えました。中小製造業を取り巻く環境が厳しさを増す中、創業50周年を前にSWOT分析で当社の強み・弱みを明確にして事業の3本柱を確立し、得意先からこれからも必要とされるサプライヤーとなることを目指しました」。 ...

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