〜SHEET NOW〜

「これで良い」とは考えない

ファイバーレーザマシンFOL-3015AJで加工範囲を拡大、差別化を図る

有限会社 クリエイト・ティー



23歳で独立を決心

代表取締役の玉木徹氏代表取締役の玉木徹氏
創業者・玉木徹社長は高校を卒業後、板金加工関連の会社に勤め、レーザマシンのオペレータとして腕を磨いた。「これで良い」と満足することなく、常に与えられた仕事を極めようとし、マシンがもっている能力を最大限に使って新しいことにチャレンジしてきた。
しかし、勤め人には限界がある。5年目の1999年、玉木社長は23歳で独立を決心した。勤務先の専務からは、「決心したからにはとことんやってみなさい。世の中、何が起こるかわからない。うちが廃業するようなことがあったら、得意先を全部紹介してあげる」とまで言われて肩を押された。
しかし、開業にあたって、資金も得意先もない。そんな時に出会ったのが、アマダの営業マンだった。玉木社長のガッツと腕を信じ、起業を応援してくれた。貸工場の紹介だけでなく、レーザマシンLC-3015βVNT+LST-3015β、ベンディングマシンFBDV-1025NT、2次元CAD/CAMAP100をモニターで貸し出してくれた。その1年後には、クリーンカットによる窒素ガスの使用量が増大したため、PSA(窒素ガス発生装置)の500.を導入した。
「応援してくれた人たちや、仕事を発注してくれた得意先の期待を裏切るわけにはいかない」(玉木社長)。以前の勤め先で培ったステンレスのレーザ切断加工を中心に、3年間は機械の傍に寝袋を持ち込み、寝泊まりしてマシンを稼働させる毎日が続いた。注文を受けた仕事は即日納品。「希望すれば曲げも溶接もやってくれる便利なジョブショップ」という評判が、広島市内の鋼材業者の間で広まり、仕事は徐々に拡大していった。
モニターしていた設備も順次購入、6年後の2006年には、2台目のレーザマシンFO-4020NT+LST-4020FOとPSA1,000.を導入した。

半導体・FPD製造装置などの試作板金を中心に成長
FOで加工したワークの切断面。ステンレス・板厚25mmが高品位に切断されているFOで加工したワークの切断面。ステンレス・板厚25mmが高品位に切断されている
玉木社長に話を聞いた。
「βは出力3kWだったため、ステンレスの切断は板厚12mmが限界。そこで、板厚25mmのステンレス切断に対応するため、6kW発振器仕様でFOを導入しました。『ステンレスでも板厚の1.2倍以上の穴をレーザで加工します』『それまでマシニングで2次加工していた穴加工にも対応します』といったPRが効果を発揮し、前にも増して仕事が入ってくるようになりました」。
こうした評判を聞きつけた、県内の大手半導体製造装置メーカーの仕事を受けているサプライヤーからは、ステンレスを使った製造装置の仕事も受注するようになった。ところがここで思い知らされたのが、ステンレスの高品位加工や切断面粗さ、表面のキズ対策といった課題だった。...

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