〜SHEET NOW〜

職人のノウハウとCAMデータの融合を体現

ファイバーレーザ溶接機FLW の導入で、
自動化・付加価値向上・加工範囲拡大を目指す

株式会社 マキノ



ファイバーレーザ溶接機FLWをいち早く導入
自動化が70%、付加価値向上と加工範囲拡大が30%


代表取締役社長の牧野拳一郎氏代表取締役社長の牧野拳一郎氏
「FLWを導入した目的は、『自動化によるボトルネックの解消』が70%、『ファイバーレーザならではの高品位溶接や異種材溶接による付加価値の向上と加工範囲の拡大』が30%―といったところです」と代表取締役の牧野拳一郎氏は語る。
牧野社長は2012年4月、同社初のロボット溶接機としてファイバーレーザ溶接機FLWを導入した。
「当社はずっと、溶接工程がボトルネックだと感じていました。溶接はどうしても人手をかけざるを得ない工程です。当社の平均ロットは10個程度ですが、中にはロットが数十個の製品もあります。そのような製品を受注すると、問答無用で数日間、溶接作業者の手を取られてしまいます。それを少しずつでもFLWに置き換え、自動化を進めていくことで、溶接作業者にはより高度で複雑な溶接作業に集中してもらおうという考えです」。

半導体・FPD製造装置などの試作板金を中心に成長
溶接修了後の半導体・FPD製造装置関連製品溶接修了後の半導体・FPD製造装置関連製品
同社は1969年に東京都府中市で創業して以来、三多摩地区に集中する大手電機メーカーを主な得意先とし、通信機器や無線応用機器などの弱電機器、半導体・FPD製造装置関連の試作板金を中心に展開してきた。
現在のメインの業種は半導体・FPD製造装置関連。中でも、真空蒸着装置の心臓部にあたる真空チャンバー周辺で使用する防着板などを得意としている。
2006年12月には、東京都町田市に建設した世界最長・最速の材料自動倉庫HYPERMARSを備えた最先端のデジタル板金工場が稼働を始めた。2009年上期に仕事量が大幅に落ち込んだ後も順調に回復を遂げてきた。
「当社が得意としている半導体・FPD製造装置の分野は、今や外需の割合が圧倒的に高い。国内市場は不振ですが、韓国・台湾・中国の電機メーカーが積極的な設備投資を進めてきたおかげで、当社のお客さまにあたる国内の製造装置メーカーにも追い風となっていました。しかし、2012年に入ってからは、長引く円高によるコスト競争力の低下、韓国の対米摩擦、中国の失速、日中の尖閣問題、韓国・台湾の製造装置メーカーの台頭といった様々な要因が複合的に重なって、伸び悩んでいます」。...

つづきは本誌2013年2月号でご購読下さい。