〜モノづくりはヒトづくり〜

“モノづくり”を通じた“ヒトづくり”
社員教育の場として優秀板金製品技能フェアを活用

株式会社田名部製作所 代表取締役 田名部 淳 氏



(株)田名部製作所 代表取締役の田名部淳氏(株)田名部製作所 代表取締役の田名部淳氏
昨年12月13日、アマダ・九州サテライトセンター(福岡県大野城市)開設1周年記念講演で、株式会社田名部製作所の田名部淳社長が「差別化のためのモノづくり・ヒトづくり」と題し講演を行った。同社は、職業訓練法人アマダスクール(神奈川県伊勢原市)が毎年開催している「優秀板金製品技能フェア」に毎回出展。これまでに厚生労働大臣賞を3度受賞するなど、数々の賞を受賞している。
同フェア審査委員の1人である職業能力開発総合大学校の安田克彦名誉教授は「同社のモノづくりには、板金加工を通してぶれることなく常に進化しようとする姿勢が根づいており、そうした姿勢が優れた製品の製作につながっているように思う」と講評。
「ぶれることなく常に進化しようとする姿勢」とは、「モノづくりはヒトづくり」という信念に根差し、社員の意識改革に取り組む同社の姿勢に他ならない。
優秀板金製品技能フェアへ向けた作品製作を通して、別工程の担当者も工程統合マシンLC-2012C1NT の活用方法を学び、後工程に配慮したモノづくり体制を構築した優秀板金製品技能フェアへ向けた作品製作を通して、別工程の担当者も工程統合マシンLC-2012C1NT の活用方法を学び、後工程に配慮したモノづくり体制を構築した
今回の講演では、優秀板金製品技能フェアへの出展を通して、同社が取り組んでいる「人材育成」「社内風土づくり」について語られた。
業界関係者─とりわけ2代目経営者として家業の板金業を継承された経営者の方々には是非とも参考にしていただきたい内容と考え、田名部社長のご厚意で講演要旨を掲載させていただいた。

社員教育の場として「優秀板金製品技能フェア」を活用
3度目となる厚生労働大臣賞を連年受賞した作品「攪拌機」(第24回)。加工ノウハウや経験をフル活用し、丸形状からの変形やねじれ加工を加える3度目となる厚生労働大臣賞を連年受賞した作品「攪拌機」(第24回)。加工ノウハウや経験をフル活用し、丸形状からの変形やねじれ加工を加える
「優秀板金製品技能フェア」(以下、板金フェア)を通して、当社が培ってきたことを、これまでの10年間を振り返りながら、お話いたします。
板金フェアで厚生労働大臣賞を3回受賞しているからといって、特別変わった会社ではありません。どこにでもある板金加工企業です。
ただ私は、2001年の入社時より「より強い会社にしたい」「もっと成長したい」という思いを持っていました。良いモノづくりをするには、ヒトづくりが重要と考え、常に模索していました。2004年ごろ、当社で継続してきた板金フェアへの出展を、社員教育の場として活用できないかと思い付きました。...

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