そこが聞きたい - 税の話
平成25年度税制改正の行方

税理士 毛塚勝貴



昨年12月16日の衆院選は自民党の圧勝に終わり、同月26日に第2次安倍内閣が誕生しました。例年なら税制改正大綱の発表時期ですが、衆議院の解散・総選挙ということで、平成25年度税制改正の議論はストップしていました。新政権においては、党税調主導のもと税制改正作業を急ピッチで行い、1月末の平成25年度予算案の閣議決定の前までに税制改正大綱を策定し、この2月に税制改正法案を通常国会に提出する予定です。

1.平成25年度税制改正の大枠
平成25年度税制改正の大枠は、そのベースを衆院選に先立ち自民党が取りまとめた政権公約集「J‐ファイル2012」とし、これに党税調の意見が反映されたものになるはずです。この公約集では、消費増税は既定路線とし、その配慮として食料品等に関しては複数税率の導入を検討するとしています。また所得税、相続税・贈与税の抜本改革では既に成立公布されている改正消費税法の附則に従い、本年度中に結論を得るとしており、高所得者・資産課税の強化は免れないところです。その他、「景気対策重視の政策」 を側面から支えるための租税特別措置法の拡充が図られることも考えられます。...

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