〜“夢のマシン”が現実に〜

世界唯一の工程統合型オールインワンマシンLASBEND-AJ



先進性・技術革新性を評価され「MM Award」を受賞
縦置きにした4´× 8´の定尺材から400×400mmの材料をレーザで切り出し、スカラロボットが搬送する縦置きにした4´× 8´の定尺材から400×400mmの材料をレーザで切り出し、スカラロボットが搬送する
昨年10月にドイツ・ハノーバー見本市会場で開催された「EuroBLECH 2012」で、アマダは工程統合型オールインワンマシン「LASBEND-AJ」を出展。次世代の加工マシンとして、来場者からひときわ注目を浴びた。
ブランク・成形・タップ・曲げを1台のマシンに統合したLASBEND-AJは、その先進性・技術革新性を高く評価され、EuroBLECHの出展機から選出される「MM Award」を受賞。EuroBLECH初日の10月23日に開催された授賞式で、アマダの岡本満夫社長は開発に際して様々なニーズやアイデアを提供したドイツのユーザーであるBVS Blechtechnik GmbH のHarald Steiner社長とともに、同賞の主催者からMM Awardの認定証と盾を受け取った。

20年余にわたって“夢のマシン”を追求
「縦型レーザ」によるファイバーレーザ加工「縦型レーザ」によるファイバーレーザ加工
アマダは20年以上前から、切断・成形・曲げ・溶接・研磨などを全自動で行う板金加工統合機の開発に取り組んできた。
同社は1994年、板金加工統合機「ESPASIO」を発表した。このマシンは、ドーム状をした作業者保護キャビンの中に、1台のレーザ切断機と2台の成形・曲げロボットを搭載し、一定の間隔で素材から板金製品をセット単位で生産(平準化生産)することを目指して開発された。材料を搬入すれば、ドームから鈴なりの果実のように加工された製品が出庫されてくる夢のようなマシンとして注目された。
ESPASIOは、(1)工程を統合し製品形状データをすべての加工工程で共有する、(2)平準化生産、(3)最終工程まで素材に製品を鈴なり状にぶら下げて加工する(クラスター加工)――など、その後の板金加工機の設計思想に大きな影響を及ぼした。
ESPASIOは、レーザで材料表面にスリットを入れ、それに沿って曲げ加工を行い溶接で補強する「スリット曲げ」の手法が試みられた。しかし、この工法では製品品質に影響するため、一般化は困難だった。
その一方でアマダは、「スインギングプレス」と呼ばれるバックゲージを不要とする新しい曲げ機構を備えた全自動曲げ加工システム「ASTRO-540」を1995年に開発。さらに2000年頃には、材料を縦置きにして、CO2レーザで所要の形状に穴あけ・外周切断するレーザ加工機能を備えた「ASTRO-540 InterPro」を発表した。このマシンは実用性を十分に備え、1台でB to B(Blank to Bend)を実現する革新的なマシンとして、高い評価を受け、BVSをはじめとするドイツ、イタリア、スイス、日本のユーザーに導入された。LASBEND-AJは、ASTRO-540 InterPro をベースに開発されている。...

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