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事業継承から3年―社員の心をひとつにまとめ会社を再生
LC-2012C1NTやHD-1303NTなどの導入で“デジタル化に対応したモノづくり”へと変革

株式会社 山崎製作所



“会社再生”に粉骨砕身した3年間
社員とのコミュニケーションを欠かさない代表取締役の山崎かおり氏社員とのコミュニケーションを欠かさない代表取締役の山崎かおり氏
山崎かおり氏は2009年9月、(株)山崎製作所の2代目社長として事業を継承した。
社長就任当時の同社は、「経営者不在」「売上の大幅減」「保有設備の老朽化」など課題が山積していた。山崎社長は、会社を再生するべく就任時から現在に至るまでの3年間、新規得意先の開拓、社員との活発なコミュニケーション、積極的な設備投資、モノづくりのデジタル化や“見える化”などの取り組みに奔走してきた。
その労が実り、現在の同社は山崎社長をはじめ社員同士が密な連携を取り合うコミュニケーションが構築され、ホームページや山崎社長のブログ、口コミなどから新規の仕事を受注し多忙な日々が続く、好循環な経営体質を持つ企業へと成長した。

経営者不在とリーマンショックの影響で窮地に立つ
屋上で撮影した集合写真(前列左端が山崎社長)。厳しかった状況をともに乗り越えてきたからこそ、お互いの信頼関係が深まっていった屋上で撮影した集合写真(前列左端が山崎社長)。厳しかった状況をともに乗り越えてきたからこそ、お互いの信頼関係が深まっていった
1967年、(株)山崎製作所は旧清水市の準工業地帯に父の山崎一正氏(以下、先代)が創業した。現・代表取締役社長の山崎かおり氏は1989年、結婚と同時期に同社へ経理担当として入社した。
先代は、社長業・営業・現場管理を兼ね、清水区近郊の企業を中心に射出成型機カバーの製作・組立や工作機械カバーの製作などの仕事を主に受注してきた。
2004年頃に先代の体調不良により経営者不在の状態がしばらく続いた。そのうえ、リーマンショックが業績悪化に追い打ちをかけた。一時は廃業も考えたというが、山崎社長は「会社を守ってきてくれた社員を、今度は会社が守らなければならない」と先代に直訴。事業継承を決意した。
山崎社長は当時を振り返り「当社に昔からいる社員の皆さんは、当社とともに人生を歩み、生産・進捗管理システムも満足にないKKD(勘・経験・度胸)経営でゴチャゴチャな状態だった当社と、お客さまへの信頼を必死に守り続けてくれました。その人たちの働く場をなくしてはいけないという思いから、会社を継ぐことを決意しました」と語る。...

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