板金需要が拡大する医療機器業界

歯科用機器をはじめ医療機器の板金パネル・カバーを製作
32歳で4代目社長に就任──今年で2年目

西垣金属工業 株式会社



大正13年創業の老舗板金加工企業
代表取締役社長の西垣潤氏代表取締役社長の西垣潤氏
精密板金加工のメッカといわれる京都市内には、レントゲン検査装置や臨床検体検査装置、分析装置、歯科用機器を製造する大手企業が複数ある。そのため、こうした医療機器の板金部材の加工に携わる企業も、数多く存在する。
京都市南区の西垣金属工業(株)もそのひとつ。1924年(大正13年)に京都市東山区で板金ヘラ絞り出し作業の開発と、深絞り加工工場として創業された同社は、1941年に航空関連部品の軍需省指定工場となって、航空機部品を製造するようになった。終戦後は民生用機器の製造に携わるようになり、1948年に株式会社として改組した。
戦前からヘラ絞りやプレス成形による深絞り加工技術を培っていたことから、戦後はそうした技術力を活かして診断用X線検査装置、レントゲン発生装置に使われる部材加工を行うようになっていった。さらに、歯科用機器であるレントゲン装置や、臨床検査装置の一種である血液分析装置の板金パネル・カバーなどを製造するようになり、1964年には京都久世工業団地に進出、ヘラ絞りから深絞り、精密板金加工までの技術を備えた板金総合企業となった。

精密板金加工を第三の柱に
2008年2月に導入したレーザマシンLC-3015F1NT+LST-3015F12008年2月に導入したレーザマシンLC-3015F1NT+LST-3015F1
1989年に3代目社長に就任した現・代表取締役会長の西垣亮氏は、ヘラ絞り・プレス成形による深絞り加工の技術を活かして、臨床検査機器や診断用X線装置、歯科用機器など、医療機器関連の部品加工も手がける。さらに、精密板金加工分野を強化して、医療機器の板金パネル・カバーなどの加工分野も拡大していった。そしてリーマンショックの影響から立ち直った2010年、当時32歳になった子息の西垣潤氏に代表取締役社長をバトンタッチし、自らは58歳という若さで会長に就任した。
4代目社長に就任した西垣潤社長は、社長としての抱負を同社Webサイト上で次のように述べている。
「1924年に創業し、私で4代目となりますが、現在まで事業を継続できたのも、当社を支えてくださるお客さまと社員たちがあってこそ。その恩恵を忘れることなく受け継ぎ、そして新たな出会いに感謝する。『幸せになるために』を使命とし、お客さまの幸せ、社員の幸せ─その幸せを共有するために社員一丸となって邁進します」。...

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