板金需要が拡大する医療機器業界

医療機器の売上が40%超を占める
繁忙を支える工程統合マシンC1稼働時間は1日20時間以上

棚長 株式会社



創業50年を経てもなお進化しつづける
1日20時間稼働を行うLC-2012C1NTの前に立つ代表取締役の榊原逸夫氏1日20時間稼働を行うLC-2012C1NTの前に立つ代表取締役の榊原逸夫氏
棚長(株)は創業者・榊原長七氏が1961年に鉄工業を開始したのがルーツ。1977年にプレスブレーキを導入して板金加工業にシフトし、その後も順次、パンチングマシン、ベンディングマシンなどを増設して、精密板金加工に対応するための布石を打っていく。
1994年に創業者の子息である榊原逸夫氏が2代目社長に就任。それ以降、毎年のように最新鋭の加工設備を導入するとともに、社内のIT化・ネットワーク化を進めてきた。さらに、榊原社長自身がMicrosoft Accessベースの生産管理システムを制作し、デジタル技術を最大限に活用した生産システムを構築してきた。
今回は、全国大会への出場を果たしたある得意先企業のクラブの応援を終え、出社されたばかりの榊原社長に現況を聞いた。

医療機器関連が柱
通信機器部品を加工中のLC-2012C1NT通信機器部品を加工中のLC-2012C1NT
榊原社長は「今は医療機器関連と通信機器関連で忙しい状況です。売上でいうと、少し前までは医療機器関連が売上の40%超、50%くらいを占めていましたが、直近では通信機器関連が30%まで増大し、医療機器関連は30〜40%と売上比は下がりました。最近受注した通信機器関連の仕事を短納期で立ち上げなければいけないので、瞬間的にはそのような割合になっています。しかし、当社の受注の柱はやはり医療機器関連。今はほかの仕事のボリュームが増え、比率が変わってきたということです」。
「医療機器メーカーのお客さまとは、20数年前から取引があります。お客さまの製品のひとつ――シリコンウエハーの検査装置に使うステンレス製カバーの仕事をいただいたのが始まりでした。そのうち、お客さまがメインの事業としている医療機器の仕事もいただけるようになり、取引が拡大していきました」。...

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