板金需要が拡大する医療機器業界

精密医療機器に工程統合マシンC1で対応――「設備に仕事がついてくる」
街中工場でも生産効率を高める設備力と人間力

株式会社 川西金属



創業35年の老舗板金企業
代表取締役の井上仁志氏(左)と専務取締役の井上博行氏(右)代表取締役の井上仁志氏(左)と専務取締役の井上博行氏(右)
兵庫県川西市は大阪府池田市と接し、兵庫の南に位置する。市の中心には、川西池田駅(JR福知山線)と川西能勢口駅(阪急宝塚線)がある。この2駅を通って阪急宝塚線は東から西へ、JR福知山線は南から西へと走っている。さらに新名神高速道路も2016年開通予定で、川西IC(仮称)も準備されており、商業面でも住環境の面でも交通網が充実している。そんな便利な場所に(株)川西金属は建つ。
「この会社は私が34歳の時に、今までの会社勤めから独立して興しました」と代表取締役の井上仁志氏は柔らかな語り口調で話し始める。
井上社長は川西市内にある大手工作機械メーカー向けに工作機械カバーなどを製作する協力工場で勤務していたが、34歳で退社、独立した。
小さな貸工場で細々とではあるが、今までのツテを頼りながら受けた仕事を誠心誠意こなすうちに、信用も増し、仕事も徐々に増えていった。
1990年、バブル崩壊で世間が沈滞している中、今までの個人会社を株式改組し法人化。60坪の土地を購入して自前の工場を建てた。仕事は落ち込むことなく順調に推移し、“バブル崩壊”にあえぐ周囲をよそに快調に成長を続け、周辺の土地を買い増して300坪まで拡げ、工場も建て増していった。

手加工から徐々に板金設備を導入
LC-2012C1NTによる加工LC-2012C1NTによる加工
設立当初は、井上社長が中心となり、“切って曲げて”と手で加工していたが、やがてアマダ製のベンディングマシンRG-50やコーナーシャーCS-220などを導入し、精度の高いモノづくりへと舵を切っていく。1990年に会社組織となり自前の工場を完成させると、2次元CAD/CAM AP40、パンチングマシンPEGA-357を、その翌年にはさらにAP40をもう1台追加導入。1997年にはベンディングマシンFBD-5020LDを、2000年にはレーザマシンLC-2412βV NT、翌2001年にはシャトルテーブルを装備したレーザマシンLC-3015βV NT+LST-3015β、2006年にはベンディングマシンFBDV-5012NTを導入し、工場内の自動化・効率化を進めていく。...

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