経済自由化から21年─躍進著しいインド(3)

レーザジョブショップからOEMメーカーへの転身を目指す
リニアドライブレーザマシンF1、FO-MU RIなどを導入

Precicut Laser



インド最大の機械工業集積地域――チェンナイのレーザジョブショップ
取締役のC.Kamal氏(右)と、工場長のD.Kanakaraj氏(左)取締役のC.Kamal氏(右)と、工場長のD.Kanakaraj氏(左)
Precicut Laserは、インドのチェンナイで事業展開しているレーザジョブショップ。最近では3次元CADを駆使した板金設計から、切断、曲げ、溶接までの一貫した板金製作に対応できる板金サプライヤーへと成長した。
チェンナイは、周辺に自動車、建設機械、農業機械、鉄道車両などの大手企業の工場が立地している、インドでも有数の機械工業集積地域だ。そのため、関連するサプライヤーの工場の数も多い。
こうした様々な業種の工場に、必要な材料を必要な形状に加工して納品するPrecicut Laserのようなレーザジョブショップには、多様な仕事が発注される。そのため、同社の得意先は250社を数え、毎月リピート受注する得意先だけでも60〜70社あまりにおよぶ。得意先の業種も様々で自動車、建機、農機などの重工業分野から医療機器、精密機械など幅広い。

2009年にジョブショップを創業
Webカメラを通じて工場の様子をオフィス内からライブで確認できる仕組みを構築Webカメラを通じて工場の様子をオフィス内からライブで確認できる仕組みを構築
同社は2009年に取締役のC.Kamal氏と、工場長のD.Kanakaraj氏の2人によって創業された。
C.Kamal取締役は、タミル・ナードゥ州のコインバートルに本社工場があり、トレーラーやハンマー、油圧シリンダー、産業用油圧シリンダー、空気圧シリンダー、空気圧縮機や削岩機などを製造するメーカーの社長を兼務している。
D.Kanakaraj工場長は、長年板金業界で働き、抜き・曲げ・溶接という板金全工程に精通し、高いノウハウを備えている。当初は、トレーラーやハンマーなどに使われる板金製品の加工に携わっていた。しかし、レーザ加工の普及にともなって、インド国内でも需要が拡大し始めた切板加工の仕事を短納期で納品するレーザジョブショップの開業を決断。こうして、チェンナイにある工業区「Ambattur Industrial Estate」でPrecicut Laserを創業した。...

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