〜SHEET NOW〜

新工法「リークゼロ工法」で活路
照明機器・建材などのプレス加工を中心に、盤関係の設計から板金・組配・施工まで対応

日光金属工業 株式会社



プレス加工を中心に、板金〜溶接〜組配〜施工まで対応
代表取締役の津田忠明氏代表取締役の津田忠明氏
「これからは今以上に容赦のない“競争”の原理にさらされることになります。変化のスピードはもっと速くなります。その中で社会やお客さまから常に必要とされる会社になるためには、他社との明確な差別化を図っていくしか方法はありません」と代表取締役社長の津田忠明氏は語る。
日光金属工業鰍ヘ、プレス加工を中心としたモノづくりに試作から量産まで対応する「製造部」と、板金加工を主体にブランク・曲げ・溶接・塗装・メッキ・表面処理・組配・施工までの一括受注に対応する「電機部」─大きく2つの事業部から構成されている。
1951年の創業時、照明機器を中心に手がける大手電機メーカーの協力工場としてスタートし、その後も空調機器・家電・OA機器・ゲーム機・自動車・2輪車・建材関係などで使用される部材のプレス加工を手がけてきた。
創業期から20年ほどの間、1970年頃までは、協力工場だったこともあって照明機器の比重が大きく、照明安定器用ケースを毎月24〜25万個生産していたこともあったという。しかし、得意先がプレス加工品の内製化に着手したため、同社への発注量が減少。これを機に同社も新規開拓に踏み切り、シャッターなどを中心に手がける大手建材メーカーとの取引を開始したのを皮切りに、その後も新規業種を開拓していった。同社の特徴である、多業種との長年の取引で蓄積してきた高度な金型技術と、柔軟な提案力に対する得意先からの信頼は厚い。
「電機部」を開設したのは1978年。大手水処理設備メーカーから受注する浄水・下水処理関係の制御盤をはじめ、照明点灯システム制御盤、工作機械制御盤、食品専用乾燥設備制御盤といった盤関係について、設計から板金加工、溶接、塗装、組配、施工、試運転までの一貫生産に対応していった。

LED照明への切り替え
サーボプレスSDE-1522。サーボプレスならではの機能(下死点での一時停止や加工速度・モーションの細かな設定)が「リークゼロコーキング工法」の開発に大きく貢献したサーボプレスSDE-1522。サーボプレスならではの機能(下死点での一時停止や加工速度・モーションの細かな設定)が「リークゼロコーキング工法」の開発に大きく貢献した
津田社長は「今年4月からの第1四半期の実績をみると、前年度比で20%程度、落ち込んでいます」と語る。
その大きな要因となったのは、水銀灯・蛍光灯といった照明機器関係の受注減少だ。
「昨年3月の東日本大震災以降、全国的に省エネ需要が拡大し、LED照明への切り替えが加速したのでしょう。他の工業製品と異なり、照明機器の業界は商材のライフサイクルが20〜30年と長く、同じ仕様で安定して受注がありました。昨今、この業界も水銀灯・蛍光灯からLED照明、将来的には有機EL照明へと切り替わる大きなターニングポイントに差し掛かっていると感じています」(津田社長)。
「電機部」の方も、売上比率が高かった大手水処理設備メーカーからの仕事が減少傾向にある。「季節変動もあるとは思いますが、基本的に上下水処理設備関連の国内市場は縮小傾向。そのため、お客さまも中国・東南アジアといった海外へと販路を求めています。日本からの輸出を考えると、東南アジア向けは関東の方がアドバンテージがあり、中国はお客さまが生産拠点をもっていますから、今後の大きな成長は期待できないと思います」(津田社長)。...

つづきは本誌2012年10月号でご購読下さい。