経済自由化から21年─躍進著しいインド

世界のエレベータ需要に対応したグローバル製造拠点
2 年で生産規模3倍の増設計画を進める

Otis Elevator Company(India)Ltd.



グローバル製造戦略を進めてきたOtis Elevator
Otis India の製造担当取締役のDheeraj Vohra 氏Otis India の製造担当取締役のDheeraj Vohra 氏
世界最大のエレベータ・エスカレータメーカーであるOtisElevator。1853年にエレベータの落下防止装置を開発したエリシャー・オーチスによって創業され、160余年の歴史を持つ。これまで世界中にエレベータ180万基、エスカレータ1万5,000基を出荷した実績を持つ。
エスカレータという機種名称も、かつては同社の商品名だった。パリのエッフェル塔、ニューヨークのエンパイヤステートビル、東京の霞が関ビルなどには同社のエレベータが採用され、現在も世界に冠たるエレベータ・エスカレータメーカーである。
現在は航空機エンジンなどを製造するプラット&ホイトニー社をはじめシコルスキー、キヤリアなどを傘下に持つユナイテッド・テクノロジー社(UTC)の傘下に入っている。
世界中に製造拠点をもち、アジアでは日本(千葉県)、中国(広州・天津)、インドに製造拠点を持っている。

インド初のエレベータメーカー
ベンディングマシンFBD III -1253NT による曲げ加工を行うベンディングマシンFBD III -1253NT による曲げ加工を行う
インド独立後6年目の1953年、OtisElevatorCompany(India)(以下、OtisIndia)はインド初のエレベータ・エスカレータメーカーとして設立された。バンガロールにあるOtisIndiaの工場敷地は6万1,136m2。インドのエレベータ需要は2011年で年間4万基といわれ、同社のシェアは約10%で約4,000基。同社は、急速な経済発展が続くインドでは、社会インフラの拡充とともに、都市の再開発をはじめとした建設ラッシュが続くと予測し、エレベータ需要は経済発展に連動して大きく伸びると判断している。さらに、インドをはじめとしたアジア新興国市場での需要拡大や、日米欧など成熟諸国で高度化・多様化するニーズに対応するため、世界の製造拠点の再編を進め、“適地適産”による効率的な生産体制の構築を計画している。...

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