経済自由化から21年―躍進著しいインド

2015年までに生産能力を2倍に増強
工作機械カバーの70%を内製

Ace Designers Ltd.



Ace Micromatic グループの中核企業
Ace Designers Ltd. のShrinivas G.Shirgurkar 執行社長Ace Designers Ltd. のShrinivas G.Shirgurkar 執行社長
AceMicromaticグループは、マシニングセンタを製造するMicromaticMachineTools社、研削盤を製造するMicromaticGrindingTechnologies社など計7社の関連企業があり、そのいずれもが工作機械を製造している。グループ全体の従業員総数は2,200名となっている。
AceDesignersは1986年にチャッカータイプの最初のNC旋盤LC-16を発表して以来、立形とチャッカータイプのNC旋盤を製造。現在は立形を含むNC旋盤18機種をシリーズ化しており、年間3,000台のNC旋盤を出荷している。ベストセラー機種の中には月産120台生産する機種があり、スペックの組み合わせによって百種類以上の型番を持っている。
現在、現工場から少し離れた場所に大規模な新工場を建設中で、この新工場が完成する来年には、年間の生産台数を4,800台まで増産する計画である。

工作機械需要の60%が自動車関連産業
レーザマシンFO-3015NT+LST-3015FOレーザマシンFO-3015NT+LST-3015FO
インド工作機械工業会(IMTMA)のデータによると、工作機械産業の生産高は、2008年のリーマンショック以後2年連続で減少したが、2010年度は自動車産業の回復にともなって、再び高成長軌道に復帰している。需要先別では、自動車および自動車部品産業向けが内需の60%を占め、航空宇宙、エネルギー、医療機器、鉄道、防衛などの分野が続く。
インドの工作機械産業は、ハイエンドの輸入機市場に日系・欧州系の工作機械メーカーが参入し、ミドルレンジに台湾・タイ・韓国の工作機械メーカー、ローエンドにインドローカルの工作機械メーカーという市場構造になっている。インド工作機械市場に占めるローカルメーカーのシェアは約40%。ローカルの工作機械メーカーとしては、AceMicromaticグループ(旋盤・マシニングセンタ・研削盤)、LMW(旋盤)、BFW(マシニングセンタ)、ジョティー(旋盤・マシニングセンタ)などが比較的規模が大きい。
現在、インド国内では450社が工作機械とその部品を製造しているが、その60%は零細企業で、生産・出荷額の80%は前記したメーカーを含む主要10社によって生産されている。
工作機械の製造拠点としてはバンガロールが第一で、タミル・ナードゥ州ではチェンナイとコインバトール、マハラシュトラ州ではムンバイとプネ、パンジャブ州でバタラとルディアナ、グジャラート州ではアフマダーバード、バローダ、ジャムナガル、ラージコート、スレンドラナガルなども知られている。
バンガロールには日系の工作機械関連メーカーも、アマダ、ファナック、牧野フライス製作所、油研工業、村田機械、ソディック、三菱マテリアル、森精機製作所、シチズンマシナリー、三菱電機、ジェイテクト、オークマ、滝澤鉄工所、山善、ブラザー工業など、数多く進出している。...

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