〜SHEET NOW〜

親子2代の夫婦の目標――いつかは自社ビル
生産管理システムAPC21で納期管理と 新規開拓に意欲

有限会社 吉岡製作所



創業40年を迎える古くて新しい会社
清々しく談笑する吉岡高幸社長清々しく談笑する吉岡高幸社長
同社は現社長の吉岡高幸氏の両親が、市内太秦うずまさの自宅軒先に金型製作などの仕事をする家内工場を設立したのが始まり。創業者である先代社長は、金型などを製作する企業に勤めたのち、独立。当初は両親だけの典型的な家内工場だったが、父親が腕に覚えがあったこと、人あたりの柔らかさと時代のニーズを受けて、金型製作→プレス→板金と、現在の業容にシフトしていったことで、花形の製品を手掛けるまでになった。工場も太秦から始まって、梅津、そして南区の現在地へと、移転のたびに規模が大きくなり、技術と信用を礎に新規開拓に弾みをつける。
事務所で対面した吉岡社長は、長身でたくましく、日焼けしたスポーティな体躯の持ち主。聞けば、自身もかつては球児で、近在の少年野球のコーチを引き受けていたとのことで、おりしも、社長をはじめ京都府民の興味は高校野球の夏の選手権大会の行方。
かつての教え子が今、準決勝戦の最中とのことで、取材者も思わずゲームの行方を覗き込んだ。
吉岡社長は「中学生の頃から父の工場に出入りし、ベンディングマシンRGの操作などをさせてもらっていました。この仕事がおもしろく、好きでした。高校卒業後はフライス加工関連の企業に就職しましたが、20歳で父の仕事場に戻りました。当時は島津製作所から航空機の部品製作の仕事などを請け、SP-15やSP-30といったセットプレスを使って、両親ともう1人の社員とでせっせと仕事をこなしている状況でした」と語る。
1998年には有限会社に改組。父の代からの得意先に加え、吉岡青年は、学生時代の友人や野球仲間を訪ね、次々と仕事を獲得していく。

中堅3社の長年の取引で信用を得る
需要の増加に期待がかかる薪ストーブ需要の増加に期待がかかる薪ストーブ
同社は父親の代より、(1)電力流通設備、太陽光・風力発電設備、半導体製造装置関連の企業、(2)スイッチギア、筐体の板金加工・塗装、ワイヤーハーネスなどを主品目とする企業、(3)高・低圧受電設備・動力制御盤などを生産する企業――中堅3社とのきずなが深い。配電盤は類似品が多く、同型でも寸法が変わったりすることが多々あるため、中間在庫を持つことはほぼ皆無。キュービクル関連のリードタイムは1週間から10日ほど。上記3社とは長い付き合いがあり、3社からの仕事が売上の約50%、そこから派生する企業20社あまりから受注する板金関連の仕事が残りの約50%を占める。新規・リピートの比率はおよそ半々、とのこと。父親の持つ金型の製造技術に加え、1991年にはプログラム作成CADAP15Tでプログラムを組み、さらにAP40で展開するようになるなど、規模は小さくてもデジタル化・IT化への布石はきっちりと打ってきた。...

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