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会社の“要”として生産管理システムAPC21を導入
デジタル板金工場の先駆け企業がグローバル化に挑戦

有限会社 今西鉄工所



デジタル板金工場に早くから着目
代表取締役の今西文彦氏代表取締役の今西文彦氏
3代目社長となる今西文彦社長は早くから板金加工のデジタル化に着目していた。
1997年にアマダが工場内ネットワークシステムASISネットワークシステムを発表するのに合わせ、板金ネットワークサーバーASIS100PCL(以下、PCL)を導入し、当時活用していたパンチングマシンに現場端末を設置。PCLとのネットワークを確立してネスティングソフトWinNestを活用し、歩留りの高い板取りを実現した。さらに、AP40で作成した展開図をPCLに取り込み、立体姿図にすることで展開不良を減らすとともに、初回に作成したプログラムをPCLに保管し、リピートの際にはPCLから必要なプログラムを呼び出して加工することで、プログラム作成の2度づくりをなくしていった。
代表取締役の今西文彦氏は「当時はネットワーク化も今ほど注目されておらず、導入している会社もごくわずかでした。そんなデジタル化の黎明期から導入したことにより、他社とは比較にならないほどの経験と実績を積み重ねることができました」と語る。
続けて今西社長は「現在まで11万本以上ものブランク加工データを事務所のPCLで一元管理─展開データの作成・取り込みからNCデータの作成、各加工マシンの稼働状況の管理、NCデータの保管まで行うことで、内段取り作業を削減し、外段取り化の徹底を図っています。その結果、工場内での内段取り作業を大幅に削減し、加工能力を最大限まで引き出して、迅速な加工が可能となりました。生産現場はシンプルながらスピーディかつ高い生産性をほこっています。製造業は、スピードアップする世の中の変化やニーズの多様化に対応し、小ロット・短納期の実現が求められています。当社はデジタル板金工場の先駆けとして、これからもお客さま満足度の向上に努力していきたいと考えております」と、デジタル板金工場の先駆け企業としての自信と誇りを語る。
こうした同社の取り組みは、得意先からも高く評価されており、企業規模は小さいが、1次サプライヤーとして、試作から量産対応まで幅広く対応している。

主力の得意先が"地産地消"でタイへ工場進出
レーザマシン F0-2412によるレーザ加工。導入後12年が経過しており、リプレースを計画中レーザマシン F0-2412によるレーザ加工。導入後12年が経過しており、リプレースを計画中
同社が主力とする得意先は、半導体製造装置や制御機器関連。物件対応によるロット1個の単品生産から、ロットがまとまるリピート品まで幅広く生産している。製品は、国内はもとより、アジアを中心とする世界各国の市場へと供給されている。
そのような中、得意先はいち早く"地産地消"の考えでタイに工場を立ち上げ、電力関連の受配電設備や各種制御盤の生産を行ってきた。国内では板金サプライヤーから調達している板金部材も、タイの工場では内製化を進めており、パンチングマシンからレーザマシンまで複数のブランク系マシンをはじめ、各種ベンディングマシンを設備。板金部門はタイでも有数の板金工場に発展している。...

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