変種変量生産に対応し、市場を拡大する複合マシン

34年で長足の進歩を遂げたパンチ・レーザ複合マシン

市場投入から34年経過
トーカイ工業(株)のパンチ・レーザ複合マシン「EML」シリーズ。複合マシンによる加工を前提としたVA/VE 提案を積極的に行うことで、得意先の信頼獲得に貢献しているトーカイ工業(株)のパンチ・レーザ複合マシン「EML」シリーズ。複合マシンによる加工を前提としたVA/VE 提案を積極的に行うことで、得意先の信頼獲得に貢献している
パンチ・レーザ複合マシンは、工程を統合して1台のマシンでパンチング加工とレーザ加工を行うことができる。メカ部品をはじめとした精密板金部品の高精度な穴加工やタップ、成形加工はパンチング加工で行い、形状が複雑で、ニブリング加工により加工面に残るバリやカエリなどが問題となる形状加工はレーザ加工─というように、パンチングとレーザ両方の利点をもつマシンとして活躍の場が増えている。
マシンそのものは今から34年ほど前に日本市場に紹介されて以来、延べ3,000台あまりが導入されてきた。単体のパンチングマシンやレーザマシンの既納入台数から推し量ると、ブランク加工マシンの10〜15%を複合マシンが占めるようになっている。さらに直近10年で見れば、パンチングマシンやレーザマシンの20%程度が複合マシンに置き換わってきている。

2つの加工機能を備えていることのムダが指摘された導入期
複合マシンが市場に紹介されたころ、パンチングとレーザという2つの加工機能が搭載されているため、一方の機能を使用しているときは一方の機能が遊んでしまう─生産性を考えればパンチングとレーザ、それぞれの専用マシンを活用した方が効率的─という見方をするユーザーが多かった。
加工機メーカーは、CCDカメラなどを使って、それぞれの専用機を使った複合加工技術を開発していったが、複合マシンに対しては必ずしもアクティビティのある対応は採らなかった。マシンの価格が専用機と比較して高額だったこともあり、市場に紹介されて10年ほどは、普及スピードも緩やかだった。...

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