レーザ加工の最新動向

FO-MII RIの導入で他社との差別化を狙う
加工領域の拡大で外注していた仕事を内製化

東洋省力 株式会社



商社の営業マンから経営者へ
FO-MU RI の前で、日高初則会長(左)と日高正典社長(右)が肩を並べるFO-MU RIの前で、日高初則会長(左)と日高正典社長(右)が肩を並べる
同社は広島市安佐北区にある板金サプライヤー。ステンレスの切断・曲げ・溶接加工を得意とし、食品機械・包装機械関係のカバー・部品の製作をメインに、サイン関係などの仕事も手がけている。
商社の営業をしていた代表取締役会長の日高初則氏は、金物関連を主に販売を行っていた。1979年に“一国一城の主”への思いと、内製化による販売製品の供給の迅速化を考え、板金加工を生業とする東洋省力機工を個人創業する。1983年、東洋省力機工(株)に改組し、1987年には広島市安佐北区深川に工場を移転、社名を現在の東洋省力(株)に変更する。
その後、ノウハウの蓄積・資本金の増資・現住所への移転を経て、2002年に(有)星輝研究所との共同で水玉噴水装置「ツィンクル・スター」を開発(現在、韓国で特許を取得)。そして今年の2月に、子息の日高正典氏が36歳で代表取締役社長に就任し、社長交代を実現した。

製品の付加価値を高めるため、板金加工業に注力
太陽光発電式LED街路灯の支柱を、FO-MII RIでパイプ加工した太陽光発電式LED街路灯の支柱を、FO-MII RIでパイプ加工した
「最近は仕事量が減りましたが、創業当初は地元の紙工メーカー向けに、小さなお菓子箱(まんじゅうサイズ)用の全自動貼函機の部品を製作する仕事をメインで手がけていました。また、電力会社からは看板や標識などのサイン関連の仕事を受け、製作・販売をしていました。現在、販売の方は手がけていませんが、当時は施工まで対応していたため、ノウハウは蓄積できています。そして、製作物の付加価値を高めようと板金製作に注力するようになり、現在に至ります」(日高会長)。
時代・ニーズの変化とともに、メインの得意先が生産拠点を中国にシフトしたため、仕事量もピーク時に比べ減少。そこで日高会長は、食品関係や電材関連のBOX・盤・ダクトなどの分野へと新規開拓を図り、業容を拡大していった。
現在の繁忙ぶりを指して日高会長は「電材関連の仕事の引き合いが増えているので、社長交代の時期と調整しながら1社のお客さま専属として別会社を設立。古くなった加工マシンも別会社に移設しました。その工場では私が主体となり、高い技能を備えているシルバー社員を登用するなどして、受注増に対応しています」と語る。

ニッチな仕事で売上比30% を占める
同社の売上比率は、食品向けの包装機械の製作が30%を占めるほか、大手菓子メーカーからの仕事が多い。そのほか食品・産業機械の生産ラインの一部の製作を手がけるなど、得意業種は多岐にわたる。
「お客さまの菓子メーカーでも板金製品の内製化をされていますが、それほど大きい板金工場ではなく、規模の大きなメーカーでは対応しにくいニッチな仕事は、『御社で対応できないか』とよく相談されます。当社で製作しているのは、製造された菓子を乾燥する機械の一部です。また、技術部の方とパイプがあるので、直接相談してもらえたり、こちらからVA/VE提案をするなどして、Win-Winの関係を築けています」(日高会長)。...

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