レーザ加工の最新動向

食品向けやプラント施工に対応する粉体機器の総合メーカー
FO-MUを2台導入

ツカサ工業 株式会社



粉体加工分野のトップランナー
代表取締役社長の加藤文雄氏代表取締役社長の加藤文雄氏
ツカサ工業(株)は、食品や医薬品業界向けをメインに粉体機器の設計・製造を行う国内トップの総合粉体エンジニアリングメーカー。
粉体機器は、食品や医薬品のほか、化学、電子機器、ナノテクノロジーを活用した新素材開発など、様々な産業の生産ラインで不可欠な設備。一口に粉体機器といっても粉砕・分級・集じん・貯槽・混合・乾燥・造粒・圧縮・充填・成形など様々な工程がある中で、同社はほぼ全工程の装置をラインナップ。これまでに培ってきた技術力を武器に、粉体機器の総合エンジニアリングメーカーとして、関連業界に様々な提案を行うことで、着実にシェアを伸ばしている。また、工場設備・プラント施工も手掛ける関係で、建設許可証も取得している。

様々な注文に応える技術力と提案力
2方向から搬送された原料を1つにまとめる「合流管」2方向から搬送された原料を1つにまとめる「合流管」
工程ごとに様々な機種をラインナップしているが、基本的には工場・プラントを運営するメーカーからの引合いに基づき、生産ラインのレイアウト設計から手掛けるケースが多い。また、既存ラインの部分的な入れ替えや、粉体機器のサイズ・仕様を変更するといったカスタマイズ対応を行うため、規格品は少なく、大半は客先対応の特注品となっている。
加藤文雄社長の方針により「営業」という部署はなく、そのかわりに「営技」(営業技術)が設置されている。得意先への提案力がキーとなるため、「営技」のスタッフはただの販売部隊ではなく、得意先の多種多様な要望に対応し、設計部門と一体となって、機能面・コスト面で様々な提案を行う。加藤社長自身、「課題」と「解決方法」を対にしたノートを常に持ち歩き、得意先の要望に対して創意工夫を凝らした提案を行うよう心がけている。
設計・板金加工・溶接・組立配線・検査・出荷まで行う一貫生産体制を採る同社は、板金加工の現場スタッフに工場板金技能士の資格取得を推奨しており、工場板金技能士1級を取得していなければ役職を得られない。
また、大型製品でない限り、ひとつの製品の曲げ・溶接・組立まで、渡り加工でひとりのスタッフが対応する。大型製品の場合は作業チームを組み、プラント施工の場合はレイアウト設計〜部材加工〜溶接〜組立配線〜据付〜試運転まで行う。案件にもよるが、受注から施工完了まで1カ月以上かかるケースも珍しくない。
職人の域に達した現場力と、粉体加工の全工程に精通した技術力・提案力が同社の躍進を支えている。...

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