レーザ加工の最新動向

“変幻自在の対応力”を目指す
食品工場向け大型装置の設計・製造・据付けに対応
4kWレーザマシンのシルキーカットで拡がる可能性

株式会社 高木製作所



“変幻自在の対応力”
代表取締役の高木賢治氏代表取締役の高木賢治氏
「“変幻自在”は私が一番好きな言葉。“変幻自在の対応力”が当社の最大のセールスポイントです」と代表取締役の高木賢治氏は力強く語る。
「当社はもともとプレス加工業を営んでいましたが、量産の仕事量が減少していったのでプレスだけでは立ちゆかないと考え、板金へシフトし、多品種少量に対応。部品製作だけでは仕事が受注できないので組立配線やサービスまで対応。さらに設計や据付け・調整まで行うようになり、ようやく今の業態に行き着きました。まさに“変幻自在”──時代・環境の変化に合わせて自らが変わることで仕事を獲得し、お客さまの信頼を勝ち取ってきました」。

食品工場向け大型装置の設計から製造、据付けまで対応
食品工場のライン向けに製作された大型の食品機械・装置食品工場のライン向けに製作された大型の食品機械・装置
(株)高木製作所は現在、食品工場の生産ラインに設備される大型食品機械・装置を主に手がける。
売上全体に占める食品機械関係の割合はおよそ90%で、残りの10%前後は自動車関連工場などの工場設備・FA機器。主要製品は、食品工場のライン向けに製作する様々な大型の食品機械・装置だ。
装置のサイズは、小型の製品だと長さ3mから、大型の製品だと15m程度まで。これまでに手がけたラインの中で最も大きいものだと、複数の装置をつなぎあわせ、全長60mにもなるという。
部品点数は、小型の機器だと50点、大型の装置だと300点。基本的には工場レイアウトに合わせて受注生産で対応し、大型装置が多いため、一品一様の生産体制となっている。
装置単体の製作だけでなく、高木社長が3次元CAD/CAM AP100αを、社内の設計スタッフが2次元CADMICRO CADAMを駆使し、得意先の要求仕様に合わせて装置設計から対応。さらに、協力会社との連携により、装置の据付け・立ち上げまで対応している。

強力な企業ネットワークでQ,C,Dに対応
商品サイクルが短い食品業界では、新商品の生産ラインの垂直立ち上げが当たり前で、そこに設置される機器・装置も極端な短納期対応が求められる。装置の性格やサイズによって納期はまちまちだが、得意先から同社に伝えられる希望納期はいつでも「至急」や「最短」だ。
その一方で、リーマンショック以降、食品機械業界でもコスト競争がいっそう激しさを増しており、高木社長が「食品機械業界は海外シフトしにくいと言われていますが、当社が手がけているような大型製品でも、組立部品のレベルでは少しずつ海外へと流出しています」と語るように、グローバル化も進展してきている。
こうした経営環境の中、同社が“変幻自在の対応力”とコスト競争力の両立を実現するための生命線となっているのが、近在の協力会社との強力な企業ネットワークだ。...

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