そこが聞きたい - 税の話
消費税法の改正(2)

税理士 毛塚勝貴



「95%ルール」の見直し
本来、事業者が納付すべき消費税は、売上げに係る消費税額から仕入れに係る消費税額を控除して計算した金額です。従って、消費税法上の非課税売上げ(預金利息、土地の譲渡代金、土地の賃貸料、住宅の賃貸料等)に対応する課税仕入れ等の税額は控除の対象とはなりません。よって控除対象仕入税額の計算に際しては、全ての課税仕入れ等につき、それが課税売上のために要するものか否か、一取引ごと判断する必要があります。これが消費税法の基本的な考え方です。
しかし、その課税期間中の課税仕入れ等につき、いちいち個々の取引を課税売上対応の課税仕入れ等、非課税売上対応の課税仕入れ等、あるいは共通対応の課税仕入れ等と区分することは非常に煩雑であり、納税者に過度な事務負担を負わせることになります。そこで消費税法は事業者の納税事務負担に考慮して、控除対象仕入税額の計算につき、課税売上高が5,000万円以下の中小零細事業者については簡易課税方式の選択適用を認め、また、すべての事業者についても非課税売上げが僅少である場合には、これを無いものとして課税仕入れ等の税額を全額控除することを認めています。...

つづきは本誌2012年5月号でご購読下さい。